2005年08月03日

孤独のチカラ ~ 斎藤孝 + 名乗れば・・

孤高をめざせ!

書籍情報

孤独のチカラ
孤独のチカラ
posted with amazlet at 05.08.06
斎藤 孝
パルコエンタテインメント事業局 (2005/07)
売り上げランキング: 7,661

本のひらめき

「群れたい」と思うのは人間の本能的な活動なのかもしれない。しかし、そこには意外に危険な惰性も潜んでいる。

むれていれば、ひとまず安心・・・子供のときも、学生の頃も、社会人になってからも・・・「むれたい」願望は、共通の意識としてあるような気がする。しかし、それは同時に、自分と向き合う時間を浪費する「おもしろうてやがてさみしき」過ごし方になるかもしれない。

本書は、売れっ子作家(と言うとご本人は気分を悪くされるかもしれないが、昨年1年で30冊以上も本を書いているから、超がつく売れっ子である)の斎藤さんが、自身の孤独だった時代を振り返り、孤独には意味がある!という論を展開した本である。

「受験に失敗した18から明治大学で職をえる32歳までは、ずぶずぶの孤独だった」という。その暗黒の10年を、暗くてさみしい孤独の時間ではなく、己とむきあい、我を磨き、「単独者」をめざした“ための時期”としたところが斎藤さんのエライところ。

孤独を恐れず、単独者になることをいとわず、ここちよい場所から一段成長するための技法を解説している。

「バッテリー」の原田巧が登場したり、ムーミンのスナフキンがでてきたり、坂口安吾や太宰治や岡本太郎の文章などが紹介されたりする。孤独の実践者達を知ることができるのもいい。

孤独をポジティブに捉え、自分を成長させる技法をつかめるかも。

さいきんつるんでばっかりで、オレ・・このままでいいのかなぁ・・なんて思ったことがある若い方、とくにオススメ!

ネットワークがどんどん広がって、つながりっぱなしの快感にしびれている方も、自分と向き合う時間をつくるきっかけに、是非!


僕の思いつき

実は僕は・・・・
中学、高校のころは、「ガリ勉」に近い状況だった。友達と遊んだり、部活に熱中したりするのをうらやましく思ったりもした。

子供ながらに「自分はこれを選んでいるんだ」と思って、自分を納得させていたような気がする。これ(勉強)で生きるしかないんだ・・みたいなことを考えていた。一方で、こんな勉強ばかりじゃ、ヘンな人間になってしまうのでは・・みたいな不安もあった。ある意味孤独だったような気もするが、孤独を極めるほどではなかった。

結局、ヘンな人間にはならなかったから(結局、へんな人間になっちゃったかもしれないが:笑)、それはそれでよかったのかも。

もし、今、自ら「選んだ道」を歩んでいるのなら、とことん歩いてみるのもいいねぇ。たとえそれが孤独な道でも。若いころは特に。

自分が孤独だったころを思い出して、それがどんな意味があったのか・・・なんて考えてみるのもいいね。自分を鏡に映す時間にする授業のひとつとして。



オススメ度

★★★★☆+ひとりぼっちの力

読んで欲しい方

・孤独が好きだった方
・孤高に興味ある方
・ひとりが大好きという方

Posted by webook at 2005年08月03日 17:30 | TrackBack
Comments

面白く拝見させて頂きました。私も斎藤孝を取り上げてますので、是非、遊びに来て下さい。

Posted by: ヒロ斎藤 at 2005年08月07日 22:20
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