底辺のパワー
世界には貧困層がたくさんいる。
ボトム・オブ・ザ・ピラミッド(BOP)とよばれる経済ピラミッドの底辺にいる人たちは約40億人いるという。1日2ドル未満で生活している人たちである。
これまで、そういう人たちは「保護すべき人たち」「支援すべき人たち」というのが常識だった。
本書は、これまでの発想を変え、この人たちのためのソリューションを大企業の資源や規模を活用して作り上げることはできないか・・・というテーマを扱っている。
パート1では、民間企業がBOPにかかわる際のフレームワークが解説される。
パート2では、BOPが活気ある市場になる事例を紹介される。
パート3では、ビデオストーリーが収録されたCDがある。
たくさんいる・・・ってことは、たとえそれが貧困層とはいえ、ビジネスになる可能性がるということだ。そういうことが企業に理解されたとたん、状況が変わることになる。
ずっと以前、アメリカで障害者に対するインフラ整備や社会的な理解がすすんだのは、そうすることが「ビジネス」になると分ったからだった・・・というのを読んだ記憶がある。
資本主義社会というのは、儲かると分ればほっといても動くというところが特徴だ。
CO2削減のグローバルな取り組みも、微妙にビジネス的要素を取り入れて、人を(企業を)動かそうとしているところがある。
本書は、BOPという今までは利益追求のビジネス社会は誰も見向きもしなかったエリアに、ユニークな視点を与え、BOPの人たちの生活を向上させる取り組みを提言する本だ。
そういうものって他にないだろうか・・。考えてみよう。
★★★★☆+ビジネスになる
・新しいビジネスを考えてる方
・低所得層を市場と考えてる方
・新しいマーケットを作りたい方