思考停止の特効薬=本音、本気
本書はナレッジマネジメントの本である。思考停止の会社が生まれ変わる様子を物語り形式で表現している。
タイトルは非常にキャッチーなものになっている。
思考停止!?、うちでもあるある・・・みたいな感覚を覚えるビジネスパーソンは多いのではないだろうか。
思考停止とは、組織と社員のふたつの面がある。
組織が縦割りで分断され、部門エゴというか部分最適というか全体として機能できなくなった状態がひとつ。社員の意識や智恵を結集できない状態だ。
もう一つは、社員。危機感に乏しくモチベーションがあがらない状態だ、これが社員の「思考停止」。
さてこの状況を打開するには何が必要だろうか?
強力なカリスマトップ?、明快なビジョン?、無駄な組織のスリムアップ、売れる商品の開発・・・・いろいろある。もっとも必要なものは、心に火のついた社員ではないだろうか。そして、社員が組織の垣根をこえて連携し、智恵を出し合い協力していく雰囲気こそ大事ではないか・・・。
本書はナレッジマネジメントがテーマである。教科書的に「暗黙知を形式知にかえ、そこからまた暗黙知を生み出していく」みたいな解説もいいが、物語という形式は、とても心に響く。
組織+仕組み+システムの三位一体が必要である。
成功イメージを具体化する。
転がり始めるときのクリティカルマス(チッピングポイント)
など、なるほどと思えるストーリーが面白い。
本書は、JECS(ジャストシステム・エンタプライズ・ソリューション協議会)の活動をベースに、ウエブ上の執筆サイトが立ち上がってできた本だ。
最初は、QA方式のマニュアル本のようなものが想定されていたが、議論が進むにつて、ストーリー性、解説の充実・・など話がどんどん膨らんだようだ。
物語で共感を呼ぶ・・・うーん、試してみたいね。
(僕はずーっとこういうのを試してみたいと思ってきた。いよいよだ)
★★★★★+智恵という経営資源
・KMを活用したいと考えてる方
・知価に興味ある方
・変革大好きという方