心のひだ。
中日新聞に連載中の「老いの風景」は人気が高く、すでに10年にもなるという。本書は、その中から68編が収録された本だ。
いくつかのエピソードに、我が人生や経験が重なって、ぐっとなる。
中年、老年の方におすすめ。
たとえば・・
定年後、自由の身になったとはいえどこか気が晴れない。友達に、ボランディアでもやってはと勧められた三起雄は公園の清掃ボランティアに参加。拾っても拾ってもゴミは減らない。
「これはきりがありませんなぁ・・、むなしくないですか?」
いつも晴れやかな顔をしてゴミを拾う老人の傍らでつぶやくと、老人が答える。
「一つ拾うとひとつきれいになる。それが心地よいのですよ。・・・捨てる人
はともかく、拾う人の心は拾うことで確実にきれいになるんです」
三起雄は、よわい65にして、はっと気がつく。
汚れたら拭き、汚れたら拭く。
生きる充実感は、結果よりも拭くという行為に付随していたことに・・・
こんなお話をはじめ、ガンコおやじがなくなったあとその存在感に気づく家族や痴呆の介護などいろいろ。
じんとしてみたい方、どうぞ。
人生の機微にふるれるエピソードは、時折やってくる。
すかさずメモ(記録)しておきたい。
最近のいいおはなし。Good&New はなぁーに?
★★★☆+ぐっとくる。
・話の達人になりたいと考えてる方
・素敵な話に興味ある方
・感動にこだわりのある方