ビジネスは愛である。尾関さんが言うと、納得する。
ビット・バレ-なんてのが昔あった。ITバブルがはじける前、猛烈な勢いで駆けだしたITビジネスの奔流で、果敢に泳いでいる若者にたくさんあった。98,99年ころだった。僕と同じ苗字の松山太河さんが主宰していたビットバレーは独特の熱気があって、川べりにいた僕も楽しかった。
渋谷の飲み屋さんで名刺交換したお一人に、尾関さんがいた。あれから7年、懸賞サイトの「アクシブドットコム」は高い価値で売却され、現在は5つの会社を経営する青年企業家・・・それが尾関さんだ。
尾関さんは、熱弁を奮うというよりは物静かな語り口で哲学的な雰囲気が漂う。本書も尾関さんらしい本だ。大人の童話といったらいいだろうか。
「金の斧、銀の斧」「鶴の恩返し」「3年寝太郎」「天の岩戸」など、知っているストーリーが微妙にアレンジされ、現代のビジネス物語のように編集されたのが、本書だ。読んでいると、みょうに懐かしい気分と新しい発見があって不思議な気分になる。
それぞれの中に、尾関さんの人生哲学が表現されているのが素晴しい。
ええ、僕はどんな小さな約束も守る男です。
(その愛を大きく求めて ~ 金の斧、銀の斧をアレンジ)
どのようにしたらいいかと皆が提案することで、解決策は見えてくる
(大海の愛 ~ 天の岩戸をアレンジ)
二軒の家を建てたっていいんだ。
(練磨する愛 ~ 3匹の子豚のアレンジ)
など、物語の中に、尾関さんの思いが語られている。「愛である!」と言い切るのが尾関さんだから納得してしまう。
なんか素敵な大人の童話。
尾関哲学をいくつか
欲を捨てるのではなく、大欲にするとエゴから愛に。
自分の都合でモノゴトを運ぼうとするのはエゴ。
相手の幸せと自分お幸せを合致させるのが愛(知恵)。
他人に頼るのはエゴ。磨いた自分を活かすのが愛。
相手を変えようとするのがエゴ。自分が変わるのが愛。
自分が考える愛とエゴについて、自分のコンセプトを表現してみたい。
また尾関さんにあいたくなったねぇー。
★★★★★+愛の哲学
・人生の達人になりたいと考えてる方
・愛とエゴについて考えてみたい方
・人に与えることがうれしい方