現場は常にファイアーだ。
リコーという会社の現場ではどんなことが行われているのか。優良企業には、それなりのワケがある。
リコーや子会社の事業再建を実践してきた著者が、実体験や経営者の言葉などをまじえながら、現場力のヒミツを語った本である。
現社長(桜井正光氏)は、行動の大切さを「ファイアー文化」と表現する。ファイアー(引き金を引く)文化とは、こういうことだ。
仮説に基づき、まず行動する。行動した結果、なんらかの問題・課題が でてくる。その問題・課題に対して行動を修正し、再度トライしていく。
そんな考え方らしい。さらに、「行動すること」と「止めること」もセットにしているところが素晴しいところ。
ヤマト運輸の小倉昌男氏のことばも紹介されている。
「私は、経営は理論だと思っている。考えて、考えて、考え抜く。でも
わからないことがある。その場合は、やってみることである。やって
みればわかる。やらなければわからない。これは私の信条である。」
というもの。リコーもヤマトも、「考える」と「やってみる」がワンセット。
いくつかのエピソードの最後に『リコースキル』という非常に短いフレーズがある。これが実に小気味いい。例えば
言葉力を善用せよ。
早くかかれば速くすむ。
耳をたてればカドはたたない。
知恵は出しつづけることで増してくる。
「指示通りに」はベストではない。
上に立ったら退路を絶て。
儲かると儲けるの大差を知ろう。
などなど、短いフレーズに深い真実がこめられている。
著者は、子会社の社長時代から「これからの企業はどんどん発信すべきだ」と叫んできたという。そして、さらに「自分のよさ、強さを発信する時代になります」ともいう。
企業も個人も同じ。
「よいこと」を出すことで、さらにまたよいことが舞い込んでくる。
どうやら、よのなかはそういうふうにできているらしい・・・。
よいことには、ありがとう、うれしい、たのしい、感動、感謝、感激・・などが含まれている。そういう仲間がいたら、人生楽しいねー。
★★★★+感謝の気持ち
・現場の達人になりたい方
・仲間の力に興味ある方
・現場力にこだわりのある方