いよいよ自由なときが訪れる
未来社会の予測は面白い。その中で、堺屋さんの本は群を抜いて楽しい。
理由は、振り返ってみると結構あたっていること、さまざまな予兆データを駆使しているのでリアリティがあること、独特の言葉がユニークなこと・・などがあるからだ。
団塊の世代、油断、知価革命など面白く読んだ。
今回は、著者が命名した『団塊の世代』が、さらに次の十年をどうすごすのか・・という内容だ。社会構造に大きな影響をあたえてきた世代を長い時間の流れのなかで捉えようとしているものだ。
団塊の世代は、これまで「ハイティーン」「ヤング」「ニューファミリー」などのブームを生み出してきた世代である。団塊の世代とは狭義には昭和22年(1947)から24年(1949)生まれの世代である。2004年時点で約480万人ほどいる。
その人たちが定年を迎える2007年ころ、これが本書が向ける視線の先だ。
少子高齢化で、年金が破綻する。一人の老人を4人の若者が支える大変な時代になる。だから・・「団塊の世代も定年後はお荷物世代だ」といった雰囲気は、間違いである。団塊の世代は、定年後も時代を切り開く影響力のある集団でありつづけるというのが本書の主張だ。
なぜか・・・
ひとつは、団塊の世代が「金持ち」「知恵持ち」「時間持ち」だからだ。すべてがそうとは限らないが、たしかにそんな気もする。
さらに、高齢者の需要が増える、つまり市場が高齢化すれば、高齢の供給者を受け入れることになる。だから、定年後の世代も社会に出て行ける(働ける)ということになる。お荷物どころではない潜在パワーを秘めている。高齢者は納税者になるということだ。
具体的な数値データ、なるほどと思える事例・・・などで、非常に読み甲斐のある内容だ。黄金の10年を、ちょっと覗いてみよう。
これから団塊の世代の「黄金の10年」が始まる。それをサイコウの日々にするために、
いまから60歳になるまでに自分の好きなこと(テーマ)を見つけて
60から70の間の10年間それに打ち込む。
10年もあれば「一人前」になれるからだ。
満足の尺度を変えよう。
企業規模基準、肩書序列基準、仲間評判基準 → 合好基準、適所基準、自
由基準 にしていこう。
などアドバイスがある。これらは、団塊の世代ばかりではなく、もっと若い世代にもあてはまる。
会社という組織を離れたとき何がしたいのか、できるのか、・・・いまからじっくり考えておこう。
★★★★★+解き放たれた団塊
・団塊の世代の達人になりたいと考えてる方
・団塊ジュニアの方
・俺は団塊じゃないって方