自分ブランド号、しゅっぱつ・しんこぉ~
バンダイ・・といえばガンダム、という感じのイメージがある。
http://www.bandai.co.jp/
この会社、いろんなオモチャを作っていると思ったら、どうやら違うらしい。松下幸之助さんが生きていたら、「ほほぉ、おたくもまず人をお創りになられていらっしゃるようで」とうなったかもしれない。
といって、とりたてて社員研修やキャリアプランがすごいというわけではない。会社の「雰囲気」である。
どんな雰囲気かといえば、仕事を楽しくやっちゃおう。言い出したヤツは、とことんやろう。失敗してもいいじゃないか、また頑張れよ・・・そういう雰囲気である。
本書は、MIKERAブランドを作ってしまった布施美佳子さん(mikeraとは小学校時代からのあだ名だそうだ)をはじめ、仕事=辛いことではなく、仕事=きびしくも楽しいものという働き方を紹介したものだ。
他には、趣味のサーフィンでブランドを立ち上げている関野祐吉さん、自分の名前をつけたゲームを発売した高橋晋平さん、そして、趣味が仕事に生きればそれもいいという社長の上野和典さんなどが登場する。
「仕事だから結果をださなくてはならないという厳しさゆえに、創意工夫を楽しんでいる」人がたくさん生息している会社のようだ。
こういう会社っていいよなー・・・という刺激をもらえる本だ。
本書の監修は、「iモード事件」の著者、松永真理さん。
むすびの「きび楽しい、会社」でこんなことを書いておられる。
バンダイには、そんな自分から仕掛けようとする人がたくさんいます。 自分がやりたいことを事業化した人、趣味の分野のブランドを設立した 人、オリジナルゲームをつうって自分の名前で売り出した人など・・・ ほかにも何人もいます。
まるで会社というプラットフォームの上で、それぞれが自分ブランド号
に乗り降りしているようにも見えます。自由に行き交って向かう先は、
おそらく自分駅なのでしょう。
会社に使われるのではなく、会社を使って自分ブランドを打ち立てられ
たら、たしかに「きび楽しく」なっていくのだと思います。
こんな会社は、実はバンダイ以外にもあるに違いない。そして、いつか自分がいるこの会社も・・・と思う人もいっぱいいるに違いない。21世紀は、こういう時代だね。
★★★★☆+自分ブランド号
・自分ブランドをもちたい方
・楽しい仕事に興味ある方
・やりたいことにこだわりのある方