私のウリはなんだろう?
東西の名プロデューサー、テリー伊藤氏と木村正雄氏が語る「個性を生かして人をつくる」仕事の本である。
木村さんは吉本で常務になった時、100人くらいと面接をしたという。
そこで、聞いたのは
・ いままでにやってことと
・ これからやりたいこと
の二つだったという。なるほど、シンプルだけど、ツボを押さえるいい質問だねぇ。
テリー伊藤氏は、苦手をウリにしてしまう方法について語っているのが印象的だ。
コイツ、字がヘタでしょう。
会社で一番ヘタなんですよ。
みたいに、苦手なことを逆にセールスポイントにするんだそうな。
そのほかいくつか印象的なメッセージは
才能なんて誰も育てられない。上の人間がすべきことは、才能の育つ
「場」を与えてあげること。
サラリーマンも、自分だけの「ミドルネーム」「ビジネスネーム」を
持つべき
などなど、対談の中に二人の様々なエピソードが盛り込まれている。気楽に読めるところがいい。
松下幸之助氏の人材に関する言葉がウィットが効いていて、前から気に入っている。
わが社は、何を作っているかと問われたら「人をつくっている」と答えて
いただきたい。しかる後に、「電気製品」も作っていると答えて欲しい。
本書の著者の木村さんも、33年の吉本興業勤務を振り返って、「人をつくってきたんだな」とつくづく思うと述懐している。
吉本を辞めたあとは、今度は一般の人たちを育てる「有名塾」というのを主宰している。会社の名前や、肩書きではなく、自分の「名前」やキャラを前面に出そう・・という人材育成塾である。
どうしたら、人がより自分らしく生き生きできるか・・・
そんなテーマで、すごい!会議をやってもいいねぇ。
★★★★+人をつくる
・人材育成に関心がある方
・吉本に興味ある方
・仕事にこだわりのある方