その力は、ささいなところに宿っている
ビジネスに必要な力とはなんだろう?
リーダーシップ、企画力、問題解決力、プレゼン力、コミュニケーションスキル・・などなど、ふっと頭によぎる言葉は、すでにいろんな本によって解説されている。
それも大事だ。
しかし・・・と小坂さんは言う。
そういうスキルやテクニックより大事な「力」があるのではないかと。
本書には、常識を破る力、積み重ねる力、アイデアを生む力、やりはじめる力、描く力、期待させる力・・・など21の「力」について語られている。巷の出来事や、映画、本、そして著者のまわりの面白い人などのエピソードを材料に、小阪節ともいえる独特の語り口で展開される。
断る力、他人を思う力・・・など平易な言葉は、ごくありふれた事柄なのに、小阪さんが語ると、とたんに光と色が躍るのはなぜだろう・・・。不思議な力がある。
さて、僕の心に一番響いた力・・・それは、「やりはじめる力」
京都国立博物館で開かれたアート・オブ・スターウォーズ展のことが紹介されている。国立博物館とスター・ウォーズ・・たしかに違和感がある。デパートならまだも。
当然、猛烈な反対の荒らしがあったという。それでもこの型破りの快挙(暴挙)が実現した。最初に「やろうよ」といい始めた仕掛け人・狩野博幸さんがいたからだ。
その経緯とともにもうひとつのエピソードがある。
スターウォーズという映画自体も、ルーカスが21世紀フォックスに持ち込んだ時、一人を除く全役員が反対したのだという。いまやそれは、映画史に残る名作となっている。ここに一歩踏み出すことを恐れない力、恐れはあるけれど踏み出す力がある。なんだか元気をもらえるエピソードだ。
ささやかな事象や、なにげないエピソードに隠された「大事な力」をたくさん見つけられると思う。超、おすすめ!
ちょっといいフレーズを見つけた。
<< あなたの歴史は、ひとつもムダになっていない。>>
なんて素敵だろう。これは、いつか「すごい!ランチ会議」のテーマにしよう。
これまで、ムダかもしれないなぁこんなことなんて思ってたこと、あんな苦い経験するもんじゃない・・と思ってたこと・・・。それが、実はこうでした・・・みたいなことを語り合う。そこに、新たな自分発見があるかもね。あー早く、すごい!ランチ会議をやりたいなぁー。
「かぶく力」も刺激的。某石油会社のネコスケ氏、K電力の某氏などが登場する。かぶき者とは、奇行の者。変わったやつのことだ。ただし、利己的ではなく他利的にかぶくことが大事。かぶき具合は、ネコスケ氏や某氏に直接きくことにしよう。
(どなたかご紹介くださいね、このお二人のこと)
★★★★★+一歩前へ
・仕事の達人になりたい方
・ノウハウはもういいという方
・人間の魅力にこだわりのある方