こんな貢献もあったのか・・・
マイクロファイナンス・・・・耳慣れない言葉に興味を持った。
1970年代から80年代にかけバングラデシュや南米の数カ国で、貧困層の女性グループに対して所得創出活動のために小口ローンを提供する実験的な試みが、マイクロファイナンスの起源らしい。
政府や国際的な援助資金がもとになったという。
貧困層への金融サービスである。わずか2ドルのために口座を開き、無担保のローンを組む・・・そんなサービスを銀行はやらない。まして巷の高利のファイナンスは問題外だ。
そんな超小口のファイナンスをしているのが、マイクロファイナンス金融機関(MFI)と呼ばれる。なんと世界にはそういうものが6000から1万ものMFIがあるというから驚く。
ぼろもうけしてヒルズ族のお仲間になどという貧困な精神ではない。地球規模で社会をよくしようという崇高な志に根ざしている。そんな世界があることを、そしてそういうことを目指して活動している人がいることを本書で知った。
これは、すごいことだ。と思う。
マイクロファイナンスのおかげで、生活レベルをあげ、子供を学校に行かせることができた・・・といった事例が紹介されている。そして、驚くべきことにこのマイクロファイナンスの利用者の95-99%はきちんと返済していると
いう。
金融といえば、なにやら幸せの片寄せ、富の片寄せみたいなイメージがあり、そこに貧困層を救う社会貢献の余地があるとは思いもよらなかった。
大事なところは、それが「慈善活動」から「ビジネス」の領域にまたがってきていることだ。どうらやそれが現実にできるらしいのだ。すごい!
利潤追求と社会貢献を同時にできる、そういうことだ。
人間の善なる心根にもとづいたMFIの活動をもっと知りたくなった。
著者とMFIの出逢いは99年に読んだ小さな記事だったという。バングラデシュのグラミン銀行に関する小さな記事だったらしい。
世の中のお役にたちたい・・・・そんな志の人に、しかるべきときにしかるべき情報がとびこんできたということだ。
よのなかには、ほかにもいろんな社会貢献の仕方がある。そんな情報は、ぜひ共有したい。
著者のフェルダー直子さんは、スイス在住。いつか日本にお招きして、この話を直接聞く機会をもつことにしよう。
★★★★★+人類規模の志
・世界のことを考えている方
・貧困を解決したい方
・ファイナンスの新しい姿をみたい方