M字型の二極分化
所得階層が二極化し、ビジネスや経済、政治はどう変わるのか。大前さんのズバっと切り込んだ分析と提言が書かれている。毎度のことながら、読みやすく分り易い。
失われた10年と嘆かれた不景気の後、最近は回復基調になってきているといわれているが、大前さんはこれを「バイアグラ景気」と呼ぶ。理由は、ほとんどが中国関連特需によるものだからだ。
ここしばらく、日本で起きた変化の本質は、「長期衰退の中で所得階層が二極化しM字型社会へ移行したこと」だという。年収600万円以下のローワーミドル以下の人たちが8割を占めるというわけだ。
こうした中で、政治は、企業は、なにをすべきかを論じているところが、この本のすごさである。
M字型の所得分布になるとき、企業はどんな戦略をとるべきか・・・。
「なんちゃって自由が丘」がいいという。ひぇー、大前さんにしてはすごく軽いノリの表現(笑)。これは、何かといえば・・・「価格はロウアーミドル、センスはアッパーミドル」つまり、「価格は安いが、センスは自由が丘」というわけだ。
たとえば、ナチュラルキッチン(100円ショップだけれど、扱っているのはお洒落な人気輸入雑貨など)、ZARD(衣料品)などがそれにあたるという。
政治の世界では、道州制、付加価値税などのユニークな提案が再登場する。これまで大前さんが主張してきた平成維新のたくさんの具体的アイデアだ。政治は、バカらしくてもうやらん!という大前さんだけれど、この方の提言を実現できる世の中にぜひなってほしいものだ。(なんか、できるような気がするんだけど・・・Moso)
本質を見ながら、鋭い提言をする本書は、じっくり読んでおきたい。
「古いものを壊すだけでは、新しいものは生まれない」と大前さん。
たしかに、いろんなところで、それは真理だと思う。
会社の中にもそういうものがあるかもね。
新しいものを発想する頭の使い方・・・そういうのをぜひ、見習いたい。
今、ぼくはそれは Moso することだと思っている。
(今年は、Moso力 っていう本を書くぞ、と)
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★★★★★+8割
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・下流に興味ある方
・人生を元気にしたい方