考えたこともない秩序ができつつあるらしい・・・
WEB2.0とかロングテールとか最近気になっていた。また何か新しい考え方が生まれたのか・・・そんな思いでアンテナを張っていたところ、まさにピッタシの本があった。今日紹介する梅田さんの本は、今起きている事象を分析して紹介するだけではない。人類の未来とか、人が本来もっている可能性とか・・・かなり哲学的な領域へ読者を誘なってくれるところがすごい!と思う。
クリック&モルタル、繋がりっぱなしの世界、オープンソース・・さまざまな言葉が生まれた。そしてその時々のウエブの進化を理解してきたように感じていた。しかし、今、Googleを中心にして起きている変化は、あるとき気がつくととんでもない変化だったと気付くことになりそうだ。
最近、GoogleEarthに驚き、Googleローカルに感激したりしていた。まったくすごいことをやってくれる企業である。
http://earth.google.com/
http://local.google.co.jp/local?output=html
Googleといえば、検索エンジンというのがもっぱらの理解。しかし、その奥には「知の世界の秩序再編」というとんでもないMosoがあるらしい。
それと呼応するかのようにロングテールの法則やWEB2.0といった表現が出てきた。
ロングテールとは、こういうことらしい。例えば、本の売れ筋はトップ10くらいがめちゃ売れていて、それ以後は急激に小さくなり長い尻尾のようなカーブを描く。そのシッポは超長い。(10m高の首に1Kmのシッポくらい)ここまでは、ほぉなるほど、である。しかしこのあとに衝撃の事実がある。
バーンズアンドノーブル(米国のリアル書店)の在庫は13万タイトルだという。一方アマゾンでは、売上の半分以上が、その13万タイトル「以降」の本から得られているというのだ(後でちょっと訂正が入るが本質は変らない)つまりロングテールのシッポのほうにすごい価値が生まれてしまったのだ。さらにこの上をいくのがGoogleのAdsenseという広告事業。
ブログ、Linux、オープンソース、ウィキペディアなど、ネットで進められてきた不思議な動きが、何なのか、どんな意味をもつのか、それはナゼなのか・・・そんなことを考えさせてくれる素晴らしい本である。
「インターネットは巨大な混沌、善よりも悪が猛威を振るう。だから気をつけないといけない」そんな印象を私達は潜在的にもっている。しかし、アメリカでは玉石混交のネットの海で「開放性」を前提とし、「善」の部分、「清」の部分の可能性を直視した取り組みが進んでいるという。なんだかすごいことが進められているのだ。(詳しくは本書を読んでいただこう)
今回、僕の失敗は、この本を図書館で借りて読んだことである。読んでいる途中でアマゾンに注文を出した(5冊)。もう一度じっくり読みたいのと、人に薦めたいからだ。そのくらいすごい本である。超おすすめ!
ネット世界の3大法則があるという。
1)神の視点からの世界理解
2)ネット上の分身がカネを稼ぐあたらしい経済圏
3)ほぼ無限大xほぼゼロ=Something。つまり、従来は消え失せ
ていたはずの価値の集積
1)は、GoogleEarthのように膨大なミクロの「動き」を「全体」として把握できるようになったこと。従来、不特定多数とか無限大といった表現でごまかしていたものが、細くかつ全体として掌握できるようになってしまったということだ。
2)はとばして、3)は「1億人から3秒を集めると、1万人のフルタイム1日分と同じ価値が生み出せる」的な発想だ。発想だけではなく事実それに近いことが起きている。(ロングテールのように)
複雑系の世界では、アマゾンの蝶のはばたきがNYCで洪水を起こす的な比喩をされてきた。ここにきて、マイクロマネーとかロングテールとか、従来はゴミのように思われてきた部分にちゃんと光があたり、そして、それが慈善とか施しといったレベルではなくビジネス的に機能することが実証されてきた。私達が、複雑系の中にいることをなんとなく感じる事象ではないだろうか。
ブログがすごい!ということになっているが、本当の意味でナゼすごいのかが本書を読んでやっと分かった気がする。
自分は小さな存在にすぎない・・・と(潜在的)に思う私達だけれど、世界を動かせる一人の存在に変われる可能性を強く感じた。
危機的状況にある企業、どうしようもない苦境にある組織、しがらみで身動きがとれない状況・・・そいういうものを変えられる存在としての「自分」を発見する機会を、本書から得られるかもねー。
うーん、わくわくしてきた。
★★★★★+不特定多数無限大!
・ロングテールってなに?という方
・WEB2.0に興味ある方
・世界を元気にしたい方