2006年03月07日

「みんなの意見」は案外正しい ~ J・スロウィ ッキー + 自分ブランド出版塾

烏合の集か叡智の輪か

書籍情報

「みんなの意見」は案外正しい
ジェームズ・スロウィッキー 小高 尚子
角川書店 (2006/01/31)


本のひらめき

クイズ番組、株式市場、選挙予測、グーグルなど一見するとバラバラだけど、実は根本的に似通っている様々な事象を取り上げ、「この世界のありのままの姿」を描こうという本だ。

ありのまま・・というのは、つまり、この世の問題や事象は、ごく少数の専門家やリーダーが答えを導き、その後に大多数が付従って行くというものではなく、集団はけっこう正しい答えを導き出すということだ。

「適切な状況の下では、人々の集団は、その中で最も優れた個人よりも 優れた判断を下すことができる」というのが本書の主張だ。ただし条件があって、意見の多様性、各メンバーの 独立性などが必要だというものだ。

なんとなくそんな気もする・・が、本書に登場する様々な事象から、うんナルホドとまではいかなかった。登場する事例がちょっと縁遠いせいだったかも。

タイトル「“みんなの意見”は案外正しい」というのが、きのうのGoogleの本ともあいまって妙に興味をそそられた。

残念ながら期待値ほどではなかったが、こういうことを考えるアメリカ人がいるという点で面白いかも。

僕の思いつき

選挙の結果、企業ブランドの乱高下、売れ筋の動向・・・などの背後には「集団の智恵」といったものがあるらしい。(本書によれば)

一方で、烏合の集とか、思考停止の集団とかいう面もある。

本書にはないのだが、たぶん、「集団の雰囲気」(知的、気楽、興味本位、くそまじめ、先鋭的・・・)などが、その集団を「知的」なものにするのか、あるいは「バカの集り」にするのかを決めるような気もする。ほかにもカリスマリーダーの存在とか、定着しているシステムの問題とか、文化的背景(農耕民族か狩猟民族か)などもあるかもしれない。

うーん、集団の研究・・・って面白いかも。

日々の会議、意思決定の仕方、会社の仕組み・・・などをこういう目線で眺めていくと面白いかもね。



オススメ度

★★★+案外

読んで欲しい方

・衆智を集めたいと考えてる方
・合意に興味ある方
・世界を元気にしたい方

Posted by webook at 2006年03月07日 19:45 | TrackBack