現場と管理職を兼任する人のためのコーチング術
日本企業の課長クラスの方は、プレイヤーとマネジャーの2役を担っていることが多い。いわゆるプレイング・マネジャーである。2005年10月、ヤクルトの古田敦也さんが選手&監督になった。古田選手の役はまさにプレイング・マネジャーだ。著者の本間さんは、このニュースを契機に本書の構想を抱いたという。
冒頭に、「ある営業マン、山口智夫の奮戦記」というビジネスストーリーが登場する。バリバリの営業マンがある日、君ならできると・・プレイング・マネジャー(課長職)を言い渡される。しかし・・・という物語が対話形式で展開される。
いったんは挫折する山口が、上司のコーチングを契機に復活し、さらにチームのマネジメントにコーチングを活かしていくというストーリーだ。短い中に、コーチングのエッセンスが盛り込まれ、さわやかな気持ちになる。
つかってみたいセリフなんかがいくつかあった。
僕の期待、3つあるんだけど、 鋭い君のことだから想像がつくんじゃないかな。
失敗という言葉ではなく、思うようにいかなかったこと・・という
なんて、いつか使ってみよう・・・笑
コーチングの肝、チーム・マネジメントへの応用、組織としてプレイング・ママネジャーを支援すべきこと・・・など、小気味よく展開する内容は、心にすっと収まるヒントがいっぱいだ。
プレイングマネジャーに共通する悩みは、「時間がない」。確かに、ふたつの重要なことを一人でやってるんだから、当然である。しかし、資源は24時間しかないのだから、そこに工夫が登場する。たとえば、「一日のスケジュールをストーリー化する」「4分メニューを作る」などなど、いいねこれ!というヒントがうれしい。
中間マネジメントにいるあなたにピッタリの本。私のことだ・・・という方はぜひ!
本間さんは、かれこれ5年くらいのお付き合い。微妙なタイミングと軌道で接近する僕にとってはあこがれの星のような方である。このところ何冊かの本を読み、僕はすっかり弟子入りモードに・・・。
学び(Learnology )、引き出し(コーチング)、成長するためのすごい影響力をもたれた方だ。
本間さんに「言葉の魔術師」。そんな言葉も送りたい。
カウンセリングが「過去に向かってWHY」を突き詰めていくのに対し
コーチングは、「未来に向かってHOW」を探る。
速水君の目標設定、大参謀への道(一日の目標にタイトルをの例)
部長との交渉、うっちゃりで粘り勝ち(一日の目標にタイトルをの例)
などなど、まいりました・・・という表現は、すごいなーと思う。
あー、本間さんには絶対、ジェイカレッジに来ていただかなくっちゃ。
★★★★★+魔法使いのおじさん
・かっこいい中間管理職になりたいと考えてる方
・プレイングマネジャーをやってる方
・職場の仲間を元気にしたい方