早い話、短いほど伝わりやすい
だらだら話さないで短く話してよ!なんてセリフは、ビジネスシーンでよく耳にする。上司の人は(多分)忙しいし、(稀に)短気なことがあるとこうなる。
そこで、本書は、「短い話ほど、相手に伝わりやすい」という仮説をもとに話が展開する。著者は、この『短い話』の目安を「1分以内」と考える。
エレベータースピーチ(エレベーターで重役と偶然一緒になり、そこで自分の企画を1分で話す)といった言葉もあるように、1分というのは、短いようで実は結構な内容を話せる時間だ。文章にするとほぼ400字程度らしい。新聞のリード文もこのくらいで、エッセンスを話すには十分かもしれない。
普段から短く話そうと気をつけると、何がいいのか・・。著者は、5つの利点があるという。
* 相手をひきつけられる。(長い話はイヤだもんね)
* 効率が上がる。(手短に・・やれば確かにそうだ)
* 論理力が磨かれる。(たしかに筋道を立てて話す訓練になる)
* 考えの質が上がる。(優先順位をつけなくっちゃ)
* コミュニケーション能力が磨かれる。(こまめに交換していけばいいね)
分かりやすい説明、話はどうすればいいか(ハウツー)は次の4ステップ。
1)相手の立場を確認する
2)相手の不安を探る
3)自分のスタンスを決める
4)話の構成を決める
説得トークの裏ワザがいくつか紹介されているが、印象的なのは、「仮想敵をつくる」というもの。敵とつくって戦うという構図は、意外に興味をもたれ易いという。どうするかといえば、「常識を否定する」こと。例えばこの本では「短い話だといいたいことが十分伝わらない」という“常識”を敵にまわし、やっつけるという構図だ。
もう一つ。具体例はカメラ目線で、というもの。これも具体例が分かりやすい。
昨日山に登ったら緑がたくさんあった
より
山に登ると一面の緑の中に、赤いツツジの花が咲いていた
のほうが、聞いたとたんに映像が頭に浮かんでくるという。なるほどカメラ目線だ。
講演やセミナーでの話し方などにもよいヒントがある。
先日、吉岡英幸さんの講演(ジェイカレッジ)で、面白いワークショップを行った。ふだんつかっている業界用語や専門用語を、ひらがな7文字で表現してみよう・・というもの。(当日は、一文字おまけしてもらって8文字だった)
たとえば BSC(バランススコアカード) = しごとのしかけ
MBO(Management By Objectives ) = パパのつうしんぼ
など。
こういうのを遊びながらやっておくと、何かのときに使えるねー。
今日は、短くいっときましょう。
★★★★+仮想敵の技
・キッパリとした話をしたいと考えてる方
・スピーチを頼まれた方
・手際よく話しをまとめたい方