なんと!リアルの世界にも・・・
ものづくりといえば日本! いくら中国やインドでコストが安くできるからといって最先端の技術では負けない。100万分の1gの歯車だって作っちゃうんだから。
だから、ものづくりだけは負けるはずがないと思っていたら、どうやらそれが根底から覆されそうなすごいことが進んでいるらしい。米MITで進められているパーソナル・ファブリケーションの世界である。
何かといえば、リアルの世界のリナックスである。もうちょっといえばオープンソース“ハードウエア”ということだ。
コンピューターの世界では、ソフトやシステム作りのやりかたが、オープンソースというすごい!やりかたに変わったことで、使う側と作る側の垣根が曖昧になってきた。リナックスなどがその典型。これをリアル(ものづくり)の世界でもやっちゃうというのがパーソナルファブリケーションというものだ。
機会を作る機械が一式あって、それを自由に使えたら面白いのが何でもできる。実際にやってみよう・・・というのをMITでは98年に「ほぼあらゆるものをつくる方法」という講座でスタートさせた。このコンセプトがまず凄い。
超音速ジェット水流、強力レーザー光線、原子の微細なビームなどほぼ何でも作れる道具を一式そろえたその講座は、超人気となり、10名の募集に100人もの応募があったという。
そして、実際にいろんな奇想天外なものが作られた。
驚いたのは、インター“ペット”エクスプローラーのというオウム用のコンピューターインターフェース装置だ。これを作ったのはアイリーンという種族間情報テクノロジーの研究者。種族間情報テクノロジー!?、この発想もまたすごいねぇ。Moso事業部も参りましたである。
すごい世界を垣間見ることができる、ユニークなサイエンスルポ。お薦め!
本書の翻訳者は糸川洋さん。「僕らは星のかけら」の翻訳者でもある。
http://webook.hp.infoseek.co.jp/2000.07/2000.07.17.htm
実は糸川さんは、ロケット博士の糸川さんにゆかりのあるお方。うーん、なるほどそうだったのか・・・と妙に納得。
すばらしい本を私たちに届けてくださる素敵な方だ。会いたいなー。
★★★★★+アトムのリナックス
・面白いものを作りたいと考えてる方
・MITに興味ある方
・ものづくりを元気にしたい方