おばあちゃんにあげたい!
普通にご飯を食べられる喜び、普通に歩ける喜び、普通にクツを履ける喜び・・・こんなことを思ったことはあるだろうか。人は失ってはじめてそのありがたみに気付くことがある。
本書は、フェアベリッシュというリハビリ介護用の靴誕生の物語である。
「ほんの数歩でしたが、また歩ける日がくるとは思いませんでした」
「靴が履けたのは3年ぶりです」
「経つことができました」
といった感謝の手紙がフェアベリッシュには日々届くという。
どんな靴かといえば、こんな感じ → http://www.fairberish.co.jp/
この靴を思いつき苦労の末に製造販売にこぎつけたのは、本書の著者であり、ホームページのトップで微笑んでいる伊藤さんである。
母が難病にかかり、祖父母の死、父母の離婚、母の死、そして継いだ社業の倒産、差し押さえ・・・など大変な中、ふと枕もとにたったおばあちゃんの夢がヒントになり、フェアベリッシュの介護靴のプロジェクトがスタートする。
ビジネスにはならないということでいくつものメーカーで断られ、最後にたどりついたのが月星化成(そういえば、僕も履いてたなぁ、月星マーク)。
そこには、佐藤さんの思いが、何か人知を超えた存在に動かされて進むような雰囲気がある。とても感動的なストーリーだ。
もし、今自分が苦境にある方、この本からエネルギーをもらってみたい。
この本は、ご縁のあるお方からオススメいただいて購入したもの。100冊クラブのMLや、すごい!ランチ会議などで、人からご紹介いただいたものに共感できるのはうれしい。
通じる、つながる・・っていうのは、ひとつの喜びでもある。
佐藤さんも、リハビリの靴を月星化成にプレゼンしたとき、一度は断られるのだが、そこにいたデザイナーのKさんが共感してくれたことから、このプロジェクトが前に進んでいく。
響き会えるということは、素晴らしいものを生み出すらしい。
響くっていい言葉だ。
★★★月★+おばあちゃんへの贈り物
・誰かのために働きたいと考えてる方
・リハビリに興味ある方
・よのなかを元気にしたい方