ヒエラルキーではなく、パートナーシップで。
この本を読んでいると、このごろ身の回りで起きている様々な変化の本質が見えてくるような気がする。
JSEF(社会企業家フォーラム)、Moso事業部、山田さんのインブルーム、田中靖浩さんの活動、(財)まちみらい千代田での動き、リッツ・カールトンの感動物語・・・様々なものがつながり「なるほど、そういうことだったのか!」と合点がいった。
本書は、これからのは、ヒエラルキー型の組織や働き方から、「パートナー・シップ」型の働き方や繋がり方になっていく、というテーマで書かれている。会社員、MBA留学、コンサル企業、独立という経歴をもつ著者はそんな変化のリーディングエッジ的な生き方をしている。
今までは「ヒエラルキー型コミュニティ」だった。これからは「パートナーシップ型コミュニティ」になるという。それは「シニオリティではなく、人間力を紐帯(ちゅうたい)とする関係」への変化でもある。つまり、上司部下の権力関係、金と人事権で組織が維持される関係から、信頼と貢献という人間力を中心にした関係への変化である。
そうした動きが世の中にはいくつか散見されるようになった。ゆるやかな、しかし心地よい繋がりとでも言えようか・・・。
その変化の背景には、3つの要因があるという。
1)インターネットでコネクションコストやコミュニケーションコストがもの
すごく低下したこと、
2)組織ではなく個人、ヒエラルキーからネットワークへ、そしてDebt的から
Equity的へという「個人の意識変化」があること
3)法的な規制緩和の動き(LLP,LLCなどの制度)
変化の事例に、会計士の田中靖浩さんの活動(志の吉さんとのコラボなど)や山田真哉さんのLLP設立、鮒谷周史さんたちのルーズバスターズ、著者の橋口さんもパートナーである板倉雄一郎事務所など、興味深いケースがある。また企業のスタイルも星野リゾートや、リッツカールトンのようなパートナーマインドで運営されているところもあり、いろんな形がありうるのだと気づく。
時代の風を感じさせてくれる、とってもオススメな本である。
パートナーシップという働き方、生き方がこれから日本が向かっていくであろう方向だ。橋口さんのこの主張は、大いに共感できる。
パートナーシップとは、上司部下、組織のオキテ、建前といったものを超え、「響き会える仲間」がそれぞれの特徴を活かしつつ、自分の成長と貢献できる喜びを味わえる働き方・・・といえる。
長年、ヒエラルキー型の組織フレームで働いてきた僕だが、最近、社外でのいろんな方のつながりや、社内におけるMoso事業部の活動などは、よく考えてみると、橋口さんの言う「パートナーシップ型」の派生系だったかも・・と思えてくる。
その中で僕がイチバン素敵だと思えることは、その寄り集まった仲間が「響き会える」という、そのことではないかと思う。ジェイカレッジの運営でいっしょに汗を流している仲間、Moso事業を実現しようとしている仲間、みんなそんな「響き会える」仲間である。そんな仲間に恵まれたことが、今一番の幸せではないかと思う。(ありがとう、皆さん)田坂さんが書いていた「仕事の報酬」のひとつに“仲間”というキーワードがあったが、このことだったのか・・・と思い当たった。
Give&Takeではなく、Give&Givenのという気持ちが大切でそれを橋口さんは「パートナーシップマインド」といっている。うんうん。
パートナーシップの時代だねぇ。
★★★★★+時代の潮目
・めたいと考えてる方
・に興味ある方
・元気にしたい方