ひらめきの嵐! 仕事を楽しみたい方必見!
本書は、日経Marketing Journalで人気のコラムが本になったもの。
なるほどぉ!と思ったり、ちょっと心がホッコリしたり・・・好評を博すそのわけがよ~く分かる。登場するのは全国の魚屋さんだったり、レストランだったり、コンビニだったり、歯医者さんだったり・・・。いろんな業種の素敵な取り組みは、お客様を感動させ、ファンにさせる。そしてサービスや商品を提供する側もお客様も幸せになれる。招客招福の様々な物語の後ろに、なにか感じられるもの・・・それが商売の王道だ。
たとえばこんな物語がある。
あるお店の話。絵とかクラフトなどの趣味を持っているお客様に、自分の
お店で個展をやらないかとお話する。お客様は大喜び。そこで店主は更に
こういう。「もしよかったら、お友達に出す個展の招待状もうちで作って
送ってあげましょう。でも100人までですよ。」
へぇーとお客様はさらに大喜び。受け取った方は、この個展(お店)に足
を運ぶことになる。
これで、既存顧客から新たな新規顧客が生まれる。一挙に100人(笑)
あるいは、
あるゴルフ場。お客様との対話を大切にする。会員向けの会報誌には、ゴ
ルフ以外にちょっといい話を混ぜる。また、雨にもかかわらず来てくれた
お客様だけに出す「雨の日通信」(雨にもめげずラウンドされた真のゴル
ファーの皆さんへ、で始まる)、お客様の忘物を届けるときに同封する「
忘物通信」などなど。あらゆる機会に対話しようという心意気がいい。
また、耳を「ケガ」したネコの話は不思議に心に残る。
ある雑貨店の話。陶器でできた猫の貯金箱ひとつが破損。耳が欠けてしま
った。接着剤で修理しても傷物と分かる。捨てるか・・・。
その店の店主は、こんなPOP(店頭広告)を作った。
「私はネコです。3月3日のひな祭りに交通事故で怪我をしてしまい
ました。おかげさまで元気になりました。こんな私ですが、かわい
がってくれる飼い主さんを探しています。」
店主の心根がわかる素敵なPOP。
感じるお客様がちゃんといて、そのネコは買われていった。
ほかにも、お客様からワインをプレゼントされる酒屋さん、カブトムシパーティを開く歯医者さん、駅で傘を貸し出すテニススクールなど・・・なるほど!と素敵だなぁ!がいっぱい。
商売(ビジネス)は、物やサービスを売ってお金を儲けることだと思っていると、なんだかつまらない。人と人との関わりの中に生まれる共感の場だと思うと楽しい。
人間関係をはぐくむ取り組みをしたり、なんとなく好きになってもらっておく工夫が、何かの折に素敵な共鳴を生み、商売につながる。
そんな工夫を考える瞬間は、さぞや楽しいことだろう。そういう状況を「Moso冥利に尽きる」と表現しておこう。
さて、どうしてもこの部分はコピーペーストしておきたい!というものがある。
毎月、経営会議などで前月の決算数値を吟味する会社は多いはず。そのとき
ちょっとした工夫をする会社がある。経理部門から出る試算表(決算表)が
「笑う試算表」になっているのだ。資料にいちいち絵文字がついている。
達成度合いで「ニコニコ」だったり、「がっかり」だったり。読み手の感情
にあった顔マークがついているという。そんなふざけたことをするのはいか
がなものか・・ではなく、逆に大好評だという。
いろんな「病気」や「壁」がいっぱいの会社で、試してみてはどうだろう。
★★★★★+儲けの王道
・心温まる話を聞きたい方
・楽しい商売に興味ある方
・自社のビジネスに活気をもちこみたい方