こだわりの結果・・・
世の中には、コダワリに徹する人がいる。盆栽だったり、ミニチュア収集だったり、あるいは・・・この本にあるような鉄道マニアだったり。
テツっちゃんの存在を知ったのは、福井泰代さんの「夢を叶える仕事術 」を読んだときだった。地下鉄等の「のりかえ便利マップ」の誕生物語である。
http://webook.tv/archives/000654.html
福井さんが一人で始めたマップつくりだが、やがて鉄道好きな「てっちゃん」が手伝うようになった・・・というくだりに登場する。
確かに、たまに地方の駅のホームで列車を待ち構えるカメラマンがいたりする。いわゆる鉄道オタク。仲間内では「テツ」と呼ばれているらしい。
本書は、そのテツ(鉄っちゃん)暦半世紀の著者が、その魅力を語ったテツ道入門の書である。
本物の鉄っちゃんは、電車にぼーっと乗っているわけではない。車窓から景色を眺め(しかも見るべきビューポイントを逃さない)、信号機や鉄道員の詰所の様子にも目を見張る。キョロキョリ車窓ウォッチングは、挙動不審になるほどらしい。ガタンゴトンの音にも夢中になるらしい。テツは路線図で妄想し、時刻表で頭の体操もする。途中下車もする。乗るほうだけでなく、写真マニアの撮りテツもいる。著者は、海外にも出かけて旅行したりもしている。
阪神と阪急が一緒になるまえに乗っておこうなんてテツもいるかもしれない。
テツを極めて本も書く、テツ妙味の人生といえるかも。
本書には、奥さんが列車に乗っている写真も載っているが、奥様は非テツだという。
日本には筋金いりのテツをはじめ鉄道好きの人が1000万人くらいはいるという。本や雑誌があってもおかしくないわけだ。
釣りも、囲碁も、ゲームも、そういうふうに考えると面白いかもね。他には、こうしたオタクむけ情報発信の分野はないだろうか・・・。
そういえば「昭和の記憶」プロジェクトを始めた清家さんもテツのお一人。
http://www.memory-of-showa.jp/index.shtml
身近に鉄っちゃんがいたら教えてあげよう。
★★★★+テツっちゃん
・テツに目覚めた方
・鉄道に興味ある方
・列車の旅がすきな方