幼稚園児が42.195Km !?
マラソン42.195Km。僕はまだ走ったことがない。せいぜい高校の体育
で5Kmくらい走ったのが最長だろうか・・・。
ところが、この本にはフルマラソンを走る幼稚園児が登場する。6時間50分
くらいでゴールするとか。本書には、そんな子どもたちを伸び伸びと育ててい
る幼稚園の教育の志が語られている。
表面的な捉え方をすれば、小さな子どもにそんなフルマラソンを走らせるなん
て・・と思うのが普通。しかし、この星子幼稚園で日々行われている素晴しい
育児の実践を聞けば、それが奇跡や強引な取り組みではなく、地道でかつ一本
筋を通した教育の結果だと頷ける。
本書は、著者であり、園長である鉄村さんが「子どもを育て、同時に親も育て
る教育(育児)」のあり方を語った本だ。
育児の百科を書いた故松田道雄さんを彷彿とさせる「気骨」みたいなものが伝
わってくる。
卒園生が小学校、中学校、はては就職するときにも報告に訪れるほどだから、
体と心の基礎をみっちり育ててくれるところのようだ。
どろんこ、はだし、はだか。毎日マラソン、富士山頂登山、ハードなハイキン
グ・・・イベントは特徴的だが、その裏にある「大丈夫だよ」「楽しいかい」
という気持ちと、「うちの子だけよければ」という親の我を退ける方針が、す
ばらしい。
68歳の園長先生は、今日も走る!
ちなみにこの幼稚園は、大阪府四条畷の星子幼稚園。園長先生の鉄村和夫は、
はじめから幼稚園を始めようとしてわけではない。倉庫用に購入した土地の近
くの住民から幼稚園を作って欲しいとの要望を受け、始めたもの。
しかし、やはり教育も人(先生)次第。みずからその運営に乗り出して、独自
な方針を貫く。
オレオレ(自分やうちの子さえよければ)の考えではなく、人の子も同じよう
に見つめる考え方を親にも求めている。
幼稚園もいろいろあることがわかった!
★★★★☆+体に心
・我が子の育児を見直したいと考えてる方
・幼稚園に興味ある方
・子どもの可能性に期待したい方