2006年06月07日

マラソン幼稚園 ~ 鉄村和夫

幼稚園児が42.195Km !?

書籍情報

マラソン幼稚園
マラソン幼稚園
posted with amazlet on 06.06.17
鉄村 和夫
エイチアンドアイ (2006/05)

本のひらめき

マラソン42.195Km。僕はまだ走ったことがない。せいぜい高校の体育
で5Kmくらい走ったのが最長だろうか・・・。

ところが、この本にはフルマラソンを走る幼稚園児が登場する。6時間50分
くらいでゴールするとか。本書には、そんな子どもたちを伸び伸びと育ててい
る幼稚園の教育の志が語られている。

表面的な捉え方をすれば、小さな子どもにそんなフルマラソンを走らせるなん
て・・と思うのが普通。しかし、この星子幼稚園で日々行われている素晴しい
育児の実践を聞けば、それが奇跡や強引な取り組みではなく、地道でかつ一本
筋を通した教育の結果だと頷ける。

本書は、著者であり、園長である鉄村さんが「子どもを育て、同時に親も育て
る教育(育児)」のあり方を語った本だ。

育児の百科を書いた故松田道雄さんを彷彿とさせる「気骨」みたいなものが伝
わってくる。

卒園生が小学校、中学校、はては就職するときにも報告に訪れるほどだから、
体と心の基礎をみっちり育ててくれるところのようだ。

どろんこ、はだし、はだか。毎日マラソン、富士山頂登山、ハードなハイキン
グ・・・イベントは特徴的だが、その裏にある「大丈夫だよ」「楽しいかい」
という気持ちと、「うちの子だけよければ」という親の我を退ける方針が、す
ばらしい。

68歳の園長先生は、今日も走る!


僕の思いつき

ちなみにこの幼稚園は、大阪府四条畷の星子幼稚園。園長先生の鉄村和夫は、
はじめから幼稚園を始めようとしてわけではない。倉庫用に購入した土地の近
くの住民から幼稚園を作って欲しいとの要望を受け、始めたもの。

しかし、やはり教育も人(先生)次第。みずからその運営に乗り出して、独自
な方針を貫く。

オレオレ(自分やうちの子さえよければ)の考えではなく、人の子も同じよう
に見つめる考え方を親にも求めている。

幼稚園もいろいろあることがわかった!



オススメ度

★★★★☆+体に心

読んで欲しい方

・我が子の育児を見直したいと考えてる方
・幼稚園に興味ある方
・子どもの可能性に期待したい方

Posted by webook at 2006年06月07日 20:55 | TrackBack