そういうことだったのか!
ロジカル・シンキングの続編。非常に実践的に書かれている。読みながら、考
えながら進むと、うっすらと脳みそに汗をかくのがわかる。笑
本書は、論理的にものを書き、人にわかりやすく伝えるためのノウハウを、と
ても体系的にそして、実践的に教えてくれる素敵な教科書である。
(こういうのこそ、教科書と呼ぶべきだね)
すこしかじった人ならロジカル・シンキングといえば、すぐにMECEやロジ
ックツリーといった言葉を思い出す。MECEは漏れなくダブりなくというこ
とまでは、誰でもわかる。しかし、いざそれを実際にに試す段になるとなかな
か思うようにいかない。
泳げない人が畳の上で泳ぎ方を教わり、分ったと思って実際に水に入ると、教
わったことと違うことがいっぱいあることに気がつく。それと同じである。
本書には、そういう「つもり」モードを抜ける工夫があるのがうれしい。要点
を理解するとともに実際に脳みそに汗をかかせてくれるからだ。
MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)、SoWhat
WhySO?、論理パターンの3つを基本にして、話が進む。これまで読んで
きたロジカルシンキングの本の中で、いちばん頭に入る解説だった。
なんども読んで消化したい本である。
ロジカルチンキングやライティングの本を読むたび思うことは、論理的に考え
る一方で、感性やセンス(藤原先生の言葉では情緒)が大切だということだ。
たとえばMECEに考えようということで、「全体として漏れがない」という
とき、さて全体をどう捉えるか?というところは、感性の世界。本当の全体を
カバーしない一部だけを全体と捉え、論を進めれば一見MECEでも、大きな
見落としに繋がる。
だから、ロジカルに正しくても、正解でない、というのはありうるのだ。
そこで、ものごとを大きく、俯瞰して、捉えるための「感性」をいつも磨いて
おく必要がある。
文化的なもの、古典、自然・・いろんなものに触れ、体験というアーカイブが
多いほうがいい。好奇心というのは、感性をみがくひとつの触媒かもしれない
ねー。好奇心は、正しいか正しくないかではなく、面白いか、面白くないかと
いう判断基準で盛り上がったり冷え込んだりする。ふむふむ。
★★★★★+ロジカルな考具
・論理的に分り易い書類を作りたい方
・スッキリした資料がほしい方
・ロジカルにモノゴトをすすめたい方