矛盾、曖昧、問い・・・思考の扉がここにある。
アイデア。ひらめき。創造性。これらの言葉には独特の響きと魅力がある。で、どうしたらそういうものを生み出せるのか・・・・企業も人もその秘密の方法に大いなる関心がある。
脳は二つのサイクルをもつエンジンであるという。
右脳:左脳
拡散思考:収束思考
神秘的:論理的
発明:批判
アイデアを生み出す過程:アイデアを優れたものにする過程
本書は、右脳的センスについて語っている。
BCG(ボストンコンサルティング)は、世界的なコンサルティング企業。だから、さぞや論理的(ロジカル)思考に重きを置いて仕事をしているのだろうと思う。しかし、それは間違いである。
論理思考を機能させるためには、そのまえに創造的、神秘的な脳の働きが必要である。さらにいえば、その両方が必要である。
いくつかの方法論が展開され、たくさんのヒラメキに満ちた本だが、なかでも言葉に対する感性がとても面白い。曖昧さや矛盾を大切にする。
勇気とは、臆病さと無謀さの間にある(曖昧)
賢さとは、無知と知性偏重の間にある(曖昧)
公然の秘密(矛盾)
抽象的イメージ(矛盾)
曖昧な明確さ(矛盾)
リラックスした集中(矛盾)
こうした言葉に、微妙な何かを感じるのは、おそらく右脳。そしてそこに創造性のみえない扉があったりする。
たしか、田坂さんも簡単に割り切ってはいけない、矛盾に対峙することに意味がある・・といったお話をされていた。
また、「変化には二つの段階がある」という考え方がとても印象的。
認識を変えることと、現実を変えること、の二つだ。
認識を変えるのは一瞬、デジタルに変わる。現実は徐々にアナログに変わっていく。だから企業変革などをするには、まず「認識」の変化が必要だ。
クイズや知的なナゾナゾ、アハ画像などがふんだんに紹介され、脳みその毛穴を全開にさせてくれる。
きらめく言葉集:
イノベーションは行動であり、創造は考えることだ。
認識を変えることによってしか新しいアイデアは生み出せない。
意識しているものがよく見える。
(ルノーを買うと決めただけで、急に道路にルノーがあふれているように
感じる): あるある。
我々は世界をありのままに見ているのではなく、自分なりの見方で見ている。
手にハンマーしか持っていなければ、なにもかも釘のように見えてしまう。
プレゼントという英語の意味を本書で、はっきりと認識した。 present とは、「今ここにある(present)」と「贈り物(present)」の二つがある。今ここにある驚き、ひらめき、会得・・・まさにプレゼントである。
セミナーは、そのときその場で、その空気の中でしかありえない。だから、セミナーとはプレゼント!である。
(あー、きのうの田坂さんの真剣勝負の講演は、まさに Present だった)
★★★★★+脳みそ、毛穴全開
・創造的になりたいと考えてる方
・ひらめきに興味ある方
・人生をAhaで埋め尽くしたい方