ニャンのために働くのか?
「カイシャ」というのは不思議な場所だ。ミステリアスな習慣や暗黙の了解、その他いろんなダイナミズムがうごめいている。
本書は、二匹のノラネコ、パパゲーノとチルダが、株式会社ノラソフトの社員たちの愚痴を聞きながら、その処方箋を裏番組的に会話するもの。
人間は本当によく悩む。しかも悩みのネタはどれも、我々ネコ族からみたら
ぜんぜん悩む必要のないものばかりだ。というか、少し考えれば分ること
ばかりといったほうが正解だろう。
彼らは、野生ではない。自分が生きるか死ぬかを、ご主人様に預けている
のだ。そんな危険極まりない生き方が、よくもでくるものだと呆れてしまう。
など、シニカルなネコ眼による観察はちょっと笑えて面白い。
社員たちが入れ替わり立ち替り、ブロック塀のところにやってきてネコたちにグチをこぼしていく。
社長のこと、M&Aのこと、社内恋愛のこと、接待のこと・・・、ネコのように考えてみれば(笑)、たしかにミョウなことを人間たちはしていることもある。
パパゲーノとチルダの会話から、会社のことを「考えて」みよう。
物語やストーリーは、説得力がある。それに楽しい。
金沢工業大学大学院の講義でも、ビジネスモデル開発の演習で、物語をつくっていただいた。なかなかリアルな面白いストーリーがあって興味深いプレゼンがたくさんあった。
ネコに何かを語らせる。
イヌに語らせる。
ネズミに語らせる。
ホワイトボードに語らせる。
あ、ホワイトボードに語らせるってのがいいね。
「あ、また箇条書きにしやがった。図解しろよ図解・・」
「お、みんなこっち向いてるね。いいぞいいぞー」
とか・・・
★★★★+ネコの会社解体新書
・会社の様子がみえてきた方
・面白い会社に興味ある方
・職場を元気にしたい方