歳相応のトレーニング
歳をとって歩けなくなると、かなり深刻だ。寝たきりにでもなろうものなら、あとはチューブを次からつぎへとつけられる羽目になる。残念ながら現状の医療や介護の多くはこういうことが常識になっている。社会のインフラや、考え方が変わらない限り、個人の力ではなかなかこの実態はくつがえせない。
いまはまだ若い人も、そろそろ熟年を迎えるひとも、やがてそんな道をたどると思うと暗くなる。
そこで、意識的に体を健康に保つ工夫をしたくなる。
今日の本は、百歳まで歩けるように筋肉を意識して鍛えようという本だ。理学療法士のプロ、田中さんが中高年向けに筋肉の鍛え方を分かりやすく解説してくれる。「筋肉に引退なし」というのが印象的だ。
まず筋肉には大きく3つある。
内臓を動かす平滑筋
心臓を動かす心筋
関節を動かす骨格筋
このうち最初のふたつは自律神経やホルモンでコントロールされてるので、意識的には動かせない。普通、私たちが自由に動かせる筋肉は「骨格筋」だ。
ここまでは、学校で習ったような気がする。ところが、この骨格筋には「速筋」と「遅筋」があるという点が、目からウロコ。
速筋は、普段私たちが筋肉だと思っているものに近く、鍛えればモリモリになるし、瞬発力があり太くて大きな筋肉だという。運動会でお父さんが張り切って翌日(翌々日)に痛くなる、あの筋肉である。一方、遅筋というのが本書のフォーカスする筋肉。体の奥にあって、持久力がある。「座る、立つ、歩く」といった日常動作に必要な筋肉はむしろ、この「遅筋」だという。
大臀筋(だいでんきん)、ヒラメ筋(足)、腹筋などをどんなふうに鍛えたらいいかを非常にわかりやすく、かつ、やる気がでるように解説してある。
中高年の方、そのちょっと手前の方、お勧め。
ゆっくりペースで、ターゲットの筋肉に意識を集中させ、トレーニグの前後はストレッチング。 ふむふむ。
しかし、これを毎日ずっと継続するには、何かがいる。
動機と意志。
小さな積み重ねは時間とともに存在し、いくらお金を積んでも取り返せない。20年後、30年後の元気な自分を夢見て、ひそかにやる「楽しみ」。これを意識できるといいねー。
長い時間スケールでものごとを考える楽しみ・・・ってあってもいいよね。50年計画なんてあったら、ちいさなことにくよくよしないし、おおようにかまえていられそう。
あー、きょうは壮大な気分であります。笑
★★★★★+50年計画
・50年先の自分を考えてる方
・健康な体に興味ある方
・中高年の筋力について知りたい方