何のために働くのか・・・という問い。
ときどき「どうしていまの会社を選んだのですか?」と聞かれることがある。学生から社会人に立場を大きく変えるとき、実はあまり深く考えていなかったというのが実態で、この問いにはいつも困る。
しかし、時折、なぜ自分はこの仕事をしているのか、これでいいのか、これからどうしたいのか・・・といった深い問いに人生を思い悩んだことがあった。
田坂さんは、「なぜわれわれは働くのか。その問いを胸中深く、問い続けることです。」という。そして、その答えは誰も教えてくれず、自らその答えを見つけていかなければならないという。
本書は、そんな問いを深く静かに考えさせてくれる本である。
なぜ私たちは働くのか?
この深い問いに私たちは、「生活の糧(給料)を得るために」と答えることもできる。「生き残るため」ともいえる。しかし、それだけではこの世に生まれることができた命があまりにモッタイナイ。もっとすばらしい「何か」のために私たちはいる。その何かを見出すためにこそ深い「仕事の思想」が求められる。
田坂さんは、学生時代、多くの友が華々しい職業につくなか、非行や暴力で問題を抱える高校に身を投じた友の言葉に、仕事の思想を感じたと述懐する。
なぜ働くのか?
この問いの答えはすぐには見つからない。ずーっとわからないかもしれない。しかし、常に問い続けなけれなばらないことだ。
本書は、10回シリーズの田坂さんトークをまとめたもの。仕事を哲学するヒントが、私たちを深い洞察の道にいざなってくれる。
現実に流されないための錨ー思想
決して失われることのない報酬ー成長
成長していくための最高の方法ー目標
こころの姿勢を映し出す鏡ー顧客
相手の真実を感じ取る力量ー共感
人間力を磨くための唯一の道ー格闘
部下の人生に責任を持つ覚悟ー地位
頂上での再開を約束した人々ー友人
仕事が残すもうひとつの作品ー仲間
後生を待ちて今日の努めをはたすときー未来
の10話は、いずれも深い。静かに読みたい一冊。
今日は、いつも通っているテニススクールのコーチに誕生祝のメッセージを皆で贈った。お祝いと感謝のメッセージをメンバーの仲間で書いた。
そのコーチは、仕事に取り組む姿勢がとても爽やか。いつもクラスに「元気」をもたらす明るさと元気が声がある。毎日、毎回・・・よくあんなにできるなぁーと感心する。
そこには、一種の「仕事の思想」的なものを感じる。まだ若いそのコーチは、そんなことは考えていないかもしれないけれど、テニスを楽しむ以上の何かを私たちに与えてくれる。
世の中は、学ぶことにあふれているねー。
★★★★★+仕事の報酬
・仕事の意味を考えてる方
・働く報酬をみつけたい方
・仲間を元気にしたい方