うん、かなり奇妙です。
この本は、法と社会の関係をネットおたくで法律家の著者が語った、かなり、うん、かなり奇妙な本である。
もともとは、Hotwired Japanでの3年ほどの連載だったものが一冊の本になったもの。
ネット社会の法と個人や社会の関係をユニークな視点で捉えた本である。
本書では、まず内外の法律の違いをナルホド!という表現で解説してくれる。
日本では、役人が個人に対してアレコレ指示をだすと「ハハーッ」と言う
ことをきいてしまう。
アメリカでは、政府やら役人やらに個人の自由や権利を制限する権限を
法律によって与えてやっている、と考えている。
またネット時代の知的財産に関する考え方(法律)も、面白い。違法コピーに対する認識だ。複製=善という「習慣」と「法律」の微妙なバランスがある。
ネット時代の、自由、権限、政治、・・・など独特の視点で、時にはややこしく、ときには面白ろおかしく論を展開しているところが、なんとも楽しくて深い。
電子決済や電子契約がどんどんできるこの時代に、いまだに選挙の電子化す
らできないような政府や政党って、もう「終わってる」ような気がしてしま
わない?
と語りかける。「なんかヘン」な状況も、やがて新しい法律によって、うまく整理されるのだろう。
ネットと法を楽しく考えるヒントがある本である。
会計の世界には、かなり面白い方(かなり奇妙な方)がおおぜいいる。
面白くないと思っていた会計の世界を、わくわく系に変換して見せてくれる達人は、田中靖浩さん、山田真哉さん、天野敦之さんなどだ。
そしてついに法律の世界にもそういう人が現れた!
本書の著者は、かなりユニーク。
高校生のころは、法学部なんてまったく興味なかったけれど、こういう人がちょっと面白い話をしていてくれたら、変わっていたかも・・。
自分の住んでる世界(職業、業界)を面白く話せる工夫をすると、たぶん世界は変わる。もっと、面白くしてみない?
★★★★☆+新しい秩序
・法律を勉強したいと考えてる方
・ネットと法律に興味ある方
・法律を楽しみたい方