自信も「心の中の選択」から生まれる
河地さんの本を読むのは二冊目だ。子どもと真摯に向かってきた中から生まれた深い洞察がる。
子どもが親や先生を「うぜぇ」と思ったり、「いちいちうるせぇな」と感じることはわかる。しかし、大人の出方私大で自分の出方が決まってしまうのはとても受身の姿勢であり、そこに発想の展開をしてみないか・・というネライが本書にはある。
「私も親に歩み寄ろう」
「生徒だって先生に教えること、伝えたいことがある」
と考えてみるのもいいんじゃないかと・・・。
自分のことを好きになり、いろんな意味で自信を感じたとき、「自ら変わってみる」というプラスへの転換ができるのではないか・・・。これは、13歳の子どもも、そして大人も同じ。
小さな自信のカケラ→自分を好きになれる→ものごとを面白く楽しくできる→なにごとも受け入れられる受容性が高まる→自分を好きになり、他人も愛せる→自分の成長を感じて自信力がつく
こんな流れがイメージできる。
自信と自信力を、著者は区別している。自信とは、算数とか音楽が得意・・といった“得意なことがある”「状況意識」のことだ。
自信力とは、そういう自信から、自分のことを好きと思ったり、いいところがあると思える「姿勢意識」のことだ。
本書は、後者の意味で自信を見つめている。
本書にはいくつかのエピソードが登場する、取材した子どももいれば、すでに大人になった著名人の子どものころの話もあり、また小説の中に登場する子どももいる。
小林礼子著「ガールフレンド」に登場する小6の女の子、高橋さやかの話が印象的。さやかは、可愛くもなく、ものおじしない態度から煙たがられる存在だった。あるとき児童会長に立候補する。くらーいヤツの広瀬君が応援演説をしてくれる。しかし、みごと落選。
このエピソードを、あえて紹介した理由を著者はこう述べている。
自分から「面白いこと、楽しいこと」を生活の中に探すのは大切なことで あり、それこそが自分の人生、人文の日々の生活を大事にする態度なのだ。
だから、さやかのように、落選してもいいので、小学校の「記念」に立候補したという姿勢を評価しているのだ。
仕事も同じかも。面白くするわくわくする方法は、いくらでもある。目の前の仕事をどうとらえるか・・・そこに、私たちができる「選択」があり、大きな「可能性の扉」がある・・・・そんな気がする。
13歳の自信力は、実は何歳にも共通するものがあるのかも・・・・ね。
そして、なかなか自分に自信がもてなくても、あきらめない。自分を変えられるチャンスは、たくさんあるし、絶対にある。いつも心の中でそれを狙っていよう。
★★★★☆+可能性の扉
・自信をもちたいと考えてる方
・自分のことを好きになりたい方
・人にやさしくしたい方