読み届ける力・・・・
電子メールが職場のコミュニケーションの重要なツールになって久しい。もはやメールを見ないで仕事をするのはありえない・・・。
さて、本書は、そのメールを「場の雰囲気を変えるマネジメントツール」として活用しようという内容である。それは、ウィークリーメッセージ。
田坂さんが職場で実践された9年の経験を「体験価値」に昇華し、深い思索を添えて解説されている。本書は、99年に発行された本だが、いまでも変わらぬ光を放っている。
ウィークリーメッセージとは、毎週月曜日に職場の仲間がエッセイメールをML(メーリングリスト)で配信しあうというもの。ただ、それだけ。
ただそれだけなのに、「確実に職場の何かを変える」。
そこには、思いもよらない心の交流が生まれるのだ。
メッセージ交換には3つのルールがある。
1)プライベートなことでも自由に書いてよい
2)他のメンバ-に対する誹謗・中傷・冷笑はしない
3)交換したメッセージを決して職場以外のメンバーに伝えない
この3つである。
ウィークリーメッセージの交流からは、自然に共感というケミストリーが働き慢性的な職場のコミュニケーション不足を補って余りある、不思議な変化が生まれたという。あるメンバーから心温まるメッセージが届いた翌週には、なぜか他のメンバーからもそうした深みのある内容が届く。何かを感じ、そこに相互理解という効果が生まれ、そして無言の対話が行われる。しかもきわめて自然に。
上司が部下に、先輩が後輩に、「教えてやろう」「学ばせてやろう」という人為的なところには何か不自然さがつきまとう。むしろ自省的な雰囲気や姿勢が重要だ。
職場(人)の智慧が、自分の体験を語るメッセージの中で「ひそやかに伝わる」そんな世界がウィークリーメッセージにはあるらしい。
このメッセージの交流は、「個性のしなやかな格闘」でもあり「価値観のやわらかな衝突」でもあるという。
メールメッセージが生み出す、不思議なケミストリーに大いに驚き、また深い共感を得る。さっそくためしてみたい。
本書には、こうした手法の奥にある深い思想がある。ぜひ多くの人に!
実は2003年に、田坂さんのオフィスへインタビューにいったことがある。
http://webook.hp.infoseek.co.jp/2003.06/2003.06.10.htm
その折も、ウィークリーメッセージのお話を伺った。
その深い意味を、当時はしっかりうけとめられなかたけれど、この本を読んで心にストンと落ちるものがあった。やっとそこまで成長できたということ。よろこばしいことだね。
さて、僕は8月14日(月)から始めることにしよう。
操作主義はなし。心を開き、そして交流にみる自分の鏡と対話するために、自然でさわやかな場をつくっていきたい。
「深い縁あって同じ職場に集まった仲間のことを、もう少しだけ深く知りたい」
そんな心得でいこう。
★★★★★+深層対話
・心の対話をしたい方
・職場にさわやかな風を吹かせたい方
・自分を写す鏡をみてみたい方
しんのすけさま
自分が職場にウィークリーメールを導入した時のことを書いてみました。
ここ→http://tinyurl.com/zgr8u
「是非やってみたいっ」と思ったものの、いきなり提案しても冷めた目で
見られちゃうだろうか、なーんて不安があってなかなか行動に移せず、、。
いろいろ考えて、社内勉強会で自分に先生役が回ってきたときに、
本来の内容+おまけで「こんなのがあったんだけど、試しにやってみません?」
と言うスタンスで発表してみました。
簡単なパワーポイントの資料も準備して、「まずは言い出しっぺの僕が
みなさんにメールを送りますので、皆さんも自分なりに書いて見て下さい」
ということで、なかなか上手い具合にスタートすることが出来ました。
上記のページにパワーポイントのデータを置いておきましたので、もし
宜しければ見てやって下さい。