2006年08月23日

アメリカと比べない日本 ~ 横山禎徳 + 一句浮かんだ

デザインは楽しい!

書籍情報

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本のひらめき

日本は、戦後の復興期から高度成長時代、バブル期、その後の失われた15年・・と大きな変貌をとげてきた。現在50歳以上の人は、「3丁目の夕日」にある種のノスタルジーを感じながら来し方を懐かしく思ったりする。

現在の日本の立ち位置を、バブル崩壊後回復期に差しかかっているという経済一辺倒な味方で捉えるのは、視野が狭い。少子化、超高齢化、環境、医療・・・様々な問題に立ち向かう新たなステージにいると著者は言う。

 日本は、無類の「課題先進国」になった。

というわけだ。そしてここからが重要なのだが、その答えは誰も知らない。自らが考え抜き変えていく「課題解決先進国」となるべきである!というのが本書のツボ。

思考停止をしてしまった経済大国は、一時、醜いエゴイスティックな日本人を生み出したこともあったが、これからは「社会システムをデザインし直す」という課題解決の道を行くべし・・というわけである。

課題に取組むには、姿勢と方法論が重要だという。姿勢(マインドセット)は、誰にも頼らずにやる、アメリカと比べない、という自立型のマインドだ。
方法論は、単発、分析、縦割りといったアプローチではなく、横串の社会システムとして統合した解を求めようというものだ。これを「社会システム」のデザインであると著者は表現する。

既存の社会システム(=消費者・生活者に価値を提供する体系的仕組み)は、超高齢化社会を想定していない。だから個別問題ではなく、統合的にデザインしなおす必要があるのだ。それは既存の縦割り行政の枠組みでは到底なしえないことだ。本書は、「社会システム・デザイン」という考え方を提示した本である。

第二弾は、「超高齢化社会をどう経営するか」という問いに具体的に答えるものになっているかもしれない・・・楽しみである。

日本の立ち位置を見定め、これから何をどう考えていくべきか、一筋の光をなげる本である。


僕の思いつき

前半、日本の越し方について、経済、生活、政治、文化、日本人のセルフイメージなど広範な分野で“オーバービュー”がなされている。非常に分かりやすく、かつ素肌感覚で読み取れるのがいい。自分が生まれ育ってきた道を、社会の動きや価値観の変遷の中で捉えることができ、自分史を描く参考になった。

問題に対して、横串を通し、全体最適のデザイン(デザインとは統合だという)をするという方法論に多いに感じるものがあった。

フォーカスする先を日本という国ではなく、うちの会社、としてみると、同じように企業経営のデザインというまた面白いテーマも見えてくる。

よーし、デザインするぞ!っと。



オススメ度

★★★★★+社会システムのデザイン

読んで欲しい方

・日本を変えたい方
・この国がすきな方
・デザインするのが好きな方

●今日のおまけ:( 一句できました・・・笑 )

  

    昼はセミ、夜はコオロギ 残暑見舞


                 夏野夜一

Posted by webook at 2006年08月23日 18:11 | TrackBack