2006年09月02日

気品のある生き方 ~ 小川義男 + 第一感情

できれば、気品のある大人でありたい。

書籍情報

気品のある生き方
気品のある生き方
posted with amazlet on 06.09.02
小川 義男
中経出版 (2006/09/01)

本のひらめき

「あらすじで読む日本の名著」など、あらすじシリーズの本は、とてもよかった。すべてこの本の著者小川校長が始めた素敵な企画である。たくさん読ませていただいた。小川先生は、埼玉県入間市、狭山ヶ丘高校の校長先生である。どんな方なんだろう・・とずっと思ってきた。

本書は、この小川先生が学校通信「藤棚」や地域のPR誌「狭山ヶ丘通信」に書き続けてきた随想をまとめたものである。随想というと軽い雰囲気を想像するが、小川先生のそれは、非常に硬派で重い。そして生徒たちに対する深い慈愛にあふれている。

思わず、ぐっと心にしみて涙がこぼれそうになるお話も・・

 人は利己的に生きているように見えて、実は自分のためではなく、
 愛する者のために生きている。
 人は本来気高く偉大なものである。

こんな哲学を小川先生はもっている。そして、

 勉学へのたゆまぬ努力で獲得した知識は、諸君に思考力を与えるだろう。
 知育なくして、徳育はないのである。
 それによって、人間は「他人のために尽くす尊さ」を勝ち得ていく。

と高校での勉学の大切さを説く。

老人とちょっとだけぶつかり、その謝る姿が「気品」に満ちていた女子高校生の話、民家近くに墜落した自衛隊機のパイロットの犠牲的精神の崇高さ、小学生のころの不登校事件の話、などたくさんのエピソードは、心に響く不思議な「香り」がある。

この本を通じ、小川先生に近づけたような気がする。

ジェイカレッジにおいでいただくことに決めた。


僕の思いつき

小川先生の学校通信「藤棚」はこちらに:
 http://www.sayamagaoka-h.ed.jp/principal/hujidana/index.html

気品。香り。品性。

素敵な言葉だ。

これらを生み出すために必要なもの。

豊かさ? 愛情? ゆとり?

いろんなものがあるけれど、若い人や学生には、やはりまず知性かもしれない。
知性とは、テストでいい点をとるための知識ではなく、「考えるための知識」という意味だ。知らないものは考えられない。だから、学習し学び経験し、そして考える。

読書は、そういうきっかけのためにあるね、きっと。



オススメ度

★★★★★+気品

読んで欲しい方

・あらすで読むシリーズを読んだ方
・高校生の品格が気になる方
・わが品性を高くしたい方

Posted by webook at 2006年09月02日 23:04 | TrackBack