右脳で考える!
著者の田中さんは、今年の1月のジェイカレッジにご登壇いただいた。その時は、会計の新しい視点を披露していただき、目からウロコどころか、メン玉が飛び出るくらい衝撃的だった。何しろ数字を使わないで会計を説明しようってんだから、そりゃ面白くないわけがない。
このときは、志の吉さんという新鋭の落語家さんとの共演で、新春にふさわしく実に晴れ晴れしい講演(共演)だった。
本書は、そのときの講演内容も織り込まれていて、ジェイカレッジに参加されたかたは、「あぁーあのときの!」とうれしくなってしまうはず。はっきりいって「自慢していいです」ね。あの感激をもう一度+あるふぁを、今度は本でじっくり、かつ深く味わえる。
さて本書の内容は・・・
なんと数字を使わずに会計の本質を語ってしまおうという大胆な内容。
貸借対照表と損益計算書を「ー・-・-」という点と線で見事に解説してある。森を見てから木を見る・・・というまっとうなことがなかなかできない現実の中で、本書の存在はとても大きい。
競馬の話、五線譜と簿記の共通点、ゲイ・ホモ・オカマなどの話も織り込まれ、実に「楽しく興味深く」会計の本当のところが解説されている。
この「楽しく」ってところが実は大いに肝心なところ。競馬新聞の数値データは読むけれど、決算数値を目をサラにして読む人はいない。楽しくないからだ。さらに、会計といえば簿記、簿記といえばつまらない・・・こんな図式で、変な先入観をすりこまれる人は後を絶たない。(毎年、簿記の試験を受験する人が50万人!)
そこで、田中さんは、数字を使わず、点と線、図解等を用いて会計の本質(森)をみせてくれている。これって、一種の芸の世界かもね。(ゲイじゃないよ)
企業人の方、必読の書。赤い表紙のこの本を手にした人を電車の中でみたら、「こいつ、デキルな!」と思って間違いない。
どっ?、この本持ってかっこよく歩いてみない?
こ難しいこと、煩雑なこと、ややこしいこと・・・そんなことがらは、会社のなかにごろごろある。
そういうのを、シンプルに表現してみる。喩えてみる。すると、何かが見えてくる。
そんなことをやってみよう。あ、なーんだ、xxってこういうことだったのか。と啓けるかもしれないから・・・。でもって、もしかしたら本になったり。
★★★★★+興味と好奇心
・会社の数字を理解したい方
・会計がすきな方
・右脳で考えたい方