2006年09月21日

トヨタの口ぐせ ~ OJTソリューションズ + 桂右團治 独演会

書籍情報

トヨタの口ぐせ
トヨタの口ぐせ
posted with amazlet on 06.09.23
OJTソリューションズ
中経出版 (2006/09/29)

本のひらめき

まず、OJTソリューションズという会社について見ておこう。
 http://www.ojt-s.jp/
トヨタとリクルートの出資でできた「人の経験と智恵」を売る会社である。トヨタの現場で40年以上カイゼンを積み重ねてきた熟練の人たちが、製造メーカー企業の家庭教師として変革のお手伝をしましょう・・・というものだ。

定年退職者は、「はい、お疲れさん、悠悠自適でのんびりやってよ・・・」と送り出される(追い出される)のが常だった。しかし、退職者の思いは、「まだまだ世の中のお役にたてる、立ちたい、・・・」が多い。だって60はまだまだ若いから。そんな思いに応える会社である。高齢者社会での粋なサービスだ。

松下幸之助翁が言った「我が社は何を作っている会社と問われたら、まず、人を創っていますと答えなさい。しかる後、電気製品も作っていると答えなさい。」ということばのように、人(の経験と智恵)を売れるような企業はすばらしい。

本書は、この会社の「メイン商品」でもあるトレーナーの人たち(みんなおじいちゃん)がもっている智恵を「トヨタの口ぐせ」という切り口で見せてくれる本である。

  おまえ、あそこ言ったか。俺は行ってきたぞ。
  現場は毎日変化させないといけない
  あなたは、誰から給料をもらうの?
  6割いいと思ったらやれ
  カイゼンは巧遅より拙速

などなど、トヨタらしさを如実に表す口ぐせが、その言葉の背景や状況とともに経験談として語られている。

トヨタのDNAをひろめるRNA的なおじさんたちの晴れ姿本である。


僕の思いつき

張富士夫さんのように新聞や雑誌に載ることはない・・・、組織の中ではもしかしたらその他大勢だったかもしれない、そんなおじさんたち(失礼!)が、こうして表舞台にたてる・・・そんな時代になってきた。いいことだ。

ところで、うちの会社は・・・?

人材輩出企業と呼ばれる会社には、リクルート、GE、トヨタなどがある。あの会社でそんな仕事をされたのなら・・・と、引き抜かれるような人を生み出せる企業こそが、これからの企業かも。人事戦略・・というものがあるのなら、そういうのを目指してもいいねー。

定年になっても売れる技。さて、何があるだろう・・・。棚卸、たなおろし。



オススメ度

★★★★+口ぐせ

読んで欲しい方

・我が社の口ぐせを編纂したい方
・口ぐせフェチな方
・風土を変えたい方

Posted by webook at 2006年09月21日 16:56 | TrackBack