銀行。といえば人々から預金を募り、それを人や企業に貸し付けて利子を稼ぐ・・・そんなイメージがある。そして、できれば大口の、できれば儲かっている優良企業に貸し付けて・・・ガッポリ設ける・・・なんていうのが効率的だ。
本書の著者ユヌスが始めたグラミン銀行は、そういう銀行の常識をはるかに超える存在。なにしろ
担保のない、貧しい人(1日1ドルとか)を対象に資金をかしている。
貸付も数十ドルからである。
そんなビジネスが成り立つのか・・・。
成り立っている。98%以上がしっかりと返済をしているという。私たちの常識が、思い込みという落とし穴にはまっていることに気がつく。
そして注目すべきは、この銀行のミッションが「世界から貧困をなすす!」というものであることだ。すばらしきMoso!
しかし、すでに1200万人(バングラデシュの10分の1)が利用し、1万2000人ものスタッフと1097箇所の支店があるという。融資をうけているのはほとんどが貧しい女性だという。
こんなすばらしいMosoを繰り広げている、ユヌス教授(実は大学の教授なのだ)の自伝である。生い立ちやグラミンの活動などがかなり詳しく書かれている。銀行2.0の世界は、確かそのトラストの輪を広げつつある。
チャリティー(施し)ではなく
クレジット(信用)で、
自立を促す。
天は自ら助くるものを助く・・・。
っていうことだねぇー。
ロングテールの世界は、いろんなところで起きているようだ。
★★★★★+ミクロクレジット
・銀行を始めたい方
・自伝がすきな方
・よのなかを変えてみたい方