2006年10月11日

丸わかり世界のビジネス理論 ~ 広川州伸 + 露木先生のメール

書籍情報

丸わかり 世界のビジネス理論
廣川 州伸
実業之日本社
   

本のひらめき

ドラッカー、コトラー、ポーター・・など世界のビジネス理論を構築した人はいっぱいいる。また、ベンチマーキング、ランチェスターの法則、SCM、SPA戦略などビジネス理論をあげていったらきりがない。最近では、ブルーオーシャン戦略やロングテールの法則なんてのもあったり。

「名前を一度くらいはきいたことがあるぞ」という著名なビジネス理論から代表選手を選び、その概要と活かし方を“サクっ”と解説したのが本書。

あまたある理論から中堅、中小企業に役立つものを選び出す。著者は、その基準を次の3つで行った。
 
 1)規模:会社の規模が小さくなっても使える理論か
 2)資金:事業に潤沢な資金をかけなかうても成立する理論か
 3)現場:実際の現場レベルの行動にまでブレイクダウンできる理論か

本書には著者が取材したり調査した中小企業などが数多く登場する。例えば、
栃木県の中里スプリングという会社。
 http://www.doyu.jp/topics/eigyo/eigyo07.html
とってもユニークな会社だ。一年を通じよく働いた社員に社長が上げるご褒美は、「会社の素材を何でも自由に使い、就業時間中に創ってよい権利」と「顧客を断る権利」だそうな。楽しそうに仕事をする社員の笑顔が何より大事だとか。行ってみたいね。

その他、社内ベンチャで「商品開発サイト」を運営しているM社、感動創造企業のリッツカールトンなど様々な事例が楽しい。

理論の解説だけじゃないところがうれしい本である。


僕の思いつき

ビジネス理論の解説集だったら、正直つまらないのだが、そこに著者の取材してきた中小企業の実例があるのが楽しい。ビジネス理論もそこにある。元気な中小企業もそこにある。しかしそれを編集しまとめる・・というところに価値が生まれる。

二つのものを整理し、関係づけ、編集してまとめる・・・こういうところにも価値が生まれる。これって、なんだか新鮮だね。著者は「すべての情報は、何らかの翻訳が必要となる」という。即ち、編集力。っていうことは、僕達もそういうことをやるチャンスがあるってこと。

とはいえ、そこには地道な蓄積がないとできない。蓄積を先に作るか、何かを目指して蓄積を心がけるか。どっちでもいいけど、とにかく生み出す気持ちが大切かも。



オススメ度

★★★★☆+編集力2

読んで欲しい方

・ビジネス理論をサクっと理会したい方
・企業訪問がすきな方
・時間を節約したい方

Posted by webook at 2006年10月11日 19:53 | TrackBack