2006年10月17日

戦略のパラドックスを解く ~ 丹羽哲 + 朝の習慣、夜の習慣


   逆説が生まれる場所・・・

書籍情報

戦略のパラドックスを解く
丹羽 哲夫
ファーストプレス
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本のひらめき

絵に描いた餅にしないために・・・というセリフは、以前、BSCの講演をするときに、よく使わせてもらった。戦略の失敗は、計画を「実行する段階」でまさに起きる・・だから、実行がしやすい仕組みとプロセスが必要だ・・・といった文脈である。

本書も、戦略を死の谷から救うために何が必要かどいうことを論じている。たたし、BSC(バランススコアカード)とは異なる視点からである。

BSCにしても、ポーターの競争戦略にしろ、ボスコンのPPMにしろ、それを提唱した人の頭にあった暗黙の前提と、使ってみようとする経営者の前提は微妙にずれることがある。だから、ネライ通りにいかない逆説(パラドックス)が生まれるのだという。

逆説とはたとえば

  分析を積み重ねても本来のコンテキストを発見できない
  ポジショニングしても利益をわかちあえない
  戦略の上意下達のみでは実現しない
  経営陣は合理的判断者だとみなすと機械損失を招く

などなど。そして、その処方箋も提唱する。

一番印象に残るのは、戦略立案をするときに、戦略オプションを複数つくる組織を通常組織とは別立てで作ろう・・という提案だ。

 日本企業の最大の問題点は、経営会議などで検討する段階で、案が一つに 絞り込まれており、将来に予測される重要な変化に対応した戦略オプション を十分比較検討していないことである。

という。まったく同感。

 一つの承認案に対し、問題点を指摘し、修正を指示するだけ

という悲しい現実がある。まったく別組織で検討した案と比較してみる・・なんてできたらいいねー。


僕の思いつき

異なる視点で考えてみよう・・といっても、一人ではなかなかできない。しかし、凡人も何人か集まれば、また啓けるものがある。

組織においても、企画部なり本社機能のある部署だけで戦略を策定するのではなく、異なるチームを別立てでつくるのがいい。

いっちょ、やりますかね。そういうのを。



オススメ度

★★★★+パラドックス

読んで欲しい方

・戦略をモノにしたい方
・実行可能な戦略を作りたい方
・実のある仕事をしたい方

Posted by webook at 2006年10月17日 18:52 | TrackBack