2006年10月29日

商いの原点 ~ 荒田弘司 + ホノルルマラソン

 商いの道、何にても新法工夫可致候 (商売記より)

書籍情報

本のひらめき

現在の三越、そして三井グループは、寛文13年(1673年)に溯るという。伊勢松坂の商人、三井八郎兵衛高利が、江戸本町1丁目に呉服店(越後屋)を開店したときである。
数年の後、江戸屈指の大店(おおだな)に成長する。今でいえば、ITベンチャーが時価総額x兆円となり、六本木ヒルズにオフィスを構えている・・といった趣だ。当時の作家、井原西鶴が「日本永代蔵」にその新しいビジネスのやりかたを絶賛している。(ちなみにこの本は、日本の経済小説の原点らしい。)

何が新しいかといえば、それまで掛売りの商習慣を、現金即金払いにしたことだ。当時、現金売りは小さな小売店では普通だったが、大きな店では「掛売」が一般的だったようだ。つまり、資金がいっぱいあるからできる・・というブランドにもなっていた。そこで、越後屋は現金取引を始めたのだがそこにちょっとした新法工夫があった。

 現金取引でお願いします、そうすれば掛売りと違って、利息を足さなくても
 よい分、お安くできます。

顧客とお店にとってWIN-WINをアピールしたという。また顧客が望む分だけ切り売りする方法、顧客に来店してもらう方法・・など当時としては斬新な発想と創意工夫があったようだ。

本書は、三井、三菱、住友、安田・・・など現代の財閥系の家祖をたどり、その経営哲学を家訓から学ぼうというもの。歴史は繋がっているという不思議な感覚を味わえ、ビジネスのためにもなる。オススメ本。


僕の思いつき

店内分業、仕立販売、現金正札売など、今では誰でも知っているやり方も、はじめてやった人がいる。

モノを運んでレジで精算、車にのったまま買い物をするドライブスルー、飛行機の中でお土産を買う、小包の宅配・・・よのなかには様々な便利な方法がある。こういうのも、はじめて思いついてスタートした人がいる。こういうのはすべて、顧客満足のために頭と知恵を使ったものだ。

改めて、あーいうのはどうやって思いついたんだろう?なんて考えてみてもいいねー。結構苦し紛れで編み出されたものもある。

困っていること、苦境に陥っていること、もうあかん・・と思うことがあったら・・・・ビッグチャンスかもしれない。



オススメ度

★★★★☆+商売の原点

読んで欲しい方

・ビジネスモデルを変えたい方
・事業を起こしたい方
・世のためになることをしたい方

Posted by webook at 2006年10月29日 16:42 | TrackBack