体感する数学
統計と聞くと、なにやら気持ちが悪い人もいるはず。平均値まではいいとしよう。
ヒストグラムもいいとしよう。体感的にも理解できるから。
しかし、標準偏差、正規分布、カイ二乗分布、t分布・・・とくると、だんだんあっちの世界にいってしまう。体感できない・・・というところから来る。
本書は、そういった統計落ちこぼれ、統計学初めて、統計落ちこぼれつつある人を対象に、統計学を優しく解説した入門書である。恥ずかしながら、僕は、長年疑問だったことがひとつ感覚的にクリアになった。(これでも一応理系なんだけど・・汗)
標準偏差は、統計のキモの部分である。本書もかなり手厚く解説している。著者はこれ以上ないくらいしつこく書いたといっている。
さて標準偏差。体感的にそれを感じる面白い引用がある。±1分で運航しているバスと±10分で運航しているバスは、どちらも平均的な運航タイムは同じになる。しかし、乗るほうとしては±1分のずれのほうが助かる。バラツキ具合(偏差)が大事だということだ。
平均と個別の値の差(偏差)は、プラスマイナスあって、それを合計するとゼロになってしまう。そこで二乗すると±が消える。しかし単位も二乗(分^2)となるので不都合だから、ルートして元に戻し平均をとる。これが標準偏差っていうやつだ。要するに
大きいほうに離れようが、小さいほうに離れようが、どちらも正の数として
評価し、打ち消しあわないように平均させるもの これが標準偏差(σ)
へぇー、そうだったの! といたく合点。
こんな調子で、分かりやすく解説してくれる。
統計嫌いな方、おひとつどうぞ。
ものごとを分り易く優しく伝える・・というのは、本質を理解していないとなかなかできない。
これまで挫折した分野とか、仕事上でここはどうもわからないけど、まーいいやといったことがらがあれば、これを克服して誰でもわかるような解説を作ってみるのはどうだろう。
分らない分野はちょっと心理的な壁があるので、すでによく知った分野で、素人に説明がちょっと難しい・・・というテーマがいいかも。
アウトプットのいい練習になる。
★★★★★+統計は嫌いだ
・統計をモノにしたい方
・統計をやり直したい方
・統計をこれから勉強したい方