途中まで読んだ段階で、著者に電話を入れた。なぜって・・・この本がものすごく面白かったから。
ビジネスの戦略といえば、ランチェスターだの、競争優位だのいろいろあるが、いまひとつ「身近感」がない。なんとなく他人事のような距離感がある。
本書も、戦略の本である。しかし、分かりやすい。でもって面白くて深い。
トヨタ、コカコーラなどの大企業がとる「同質化戦略」、スタバなどの「ドミナント戦略」などの解説がナルホドを連発させてくれる。また、QBハウスが「オンリーワン戦略」でライバルがいないのは、なんとなく放っておいてもよさげな雰囲気があるから・・・など身近に聞く企業の戦略が実に「痛快」に解説されている。
また、不完全なものが増大する社会においては、持たざる経営や他者を利用する経営が有利であるという、疎結合優位論は、なかなか深いものがある。
ちなみに、本書のタイトルにもなっている「アマゾンは二度笑う」の意味は、Web1.0時代のネット企業の代表格としての高笑いと、更にWeb2.0時代のロングテールの威力でまた高笑いした・・ということだ。
ビジネスの成功は、「有利な土俵」で戦うこと。まったくもってそのとおり。しかし、なかなかそれができない。
我が社は、この先どうしたらいいだろう?と漫然と考えている経営者の方や、マネジメントの方がいたら、この本は、とってもおすすめ。
例年どおりの分析数値ばかりを眺めていてもはじまらない。ここは、ちょっと違う刺激を本書から得てみよう。
本書の終わりにこうある。本書のなかでひとつだけ忘れずにいてほしいと思うのは、
<土俵の選び方こそが、戦略にとって最も重要なことなのだ>
という一文につきるという。
確かに事業ドメインをどう定義するか、どんな土俵で戦うか・・それが一番の重要ポイントだ。
さて、わが社のドメイン(土俵)は何か・・・
定義できているだろうか・・・。???
★★★★★+有利な土俵!
・社業のビジネスを好転させたい方
・既存ビジネスの土俵をシフトさせたい方
・パラダイムシフトって言葉が好きな方