この際、advocate という単語を覚えておこう。推奨する、支援するといった動詞がある。(この単語には名詞もある)「advocacy 」とは、その名詞形(擁護、支援、代弁など)である。
さて、本書は、アドボカシーといスタイルが、これからの顧客主導の市場生態系(←田坂さんの言葉)の中では、必要になると説く。
企業と顧客の関係が、理念的にも実質的にも逆転してしまった今、マーケティングも従来のやり方から大きくパラダイムシフトせざるを得ない状況だという。
「顧客への支援(アドボカシー)を徹底することで、顧客の信頼を得る」
これがアドボカシー・マーケティングの根っこである。
実例とし、GE(シックスシグマなどのカイゼン活動を顧客サイドに人を派遣してやっている)、イーベイ、アマゾンなどがあげられている。
顧客を支援するとは、よい情報を提供しているとみせつつ、自社製品に誘導するというものではない。自社製品よりその顧客に適したものがあればそれをお勧めする・・・それがアドボカシー。
従来のマーケティングは、顧客を説得し、宣伝販売に力を入れ、売上を伸ばせといった戦略だった。これをプッシュ・プル戦略という。アドボカシー戦略では、顧客を支援し、顧客とともに製品を作り、顧客との長期的信頼関係を大事にする・・そんな戦略が大切だという。
リレーションシップ(CRMなどが代表)のマーケティングから、次への進化はアドボカシーということになるようだ。囲い込もう・・というマーケティングは、そろそろ終盤なのかもしれない・・。ヤバイ。
航空業界、自動車業界、医療業界などの分析も興味深い。
これからは、アドボカシーらしいですぞ!
市場は大きく変わった。顧客が生産者より情報をもち、力関係が変わってしまった今、どうしたらよい企業として永続できるのか・・・。
そんなテーマで、自社のことを語ってみるのもいいねー。
★★★★★+支援するという姿勢
・自社のマーケティング戦略を考えている方
・自社をもっと顧客に近づけたい方
・顧客といっしょにワクワクしたい方