1965年北海道生まれのデザイナー、ナガオカケンメイさん。
僕にとっては、「結婚」という素敵な作品を生み出した人・・のイメージが強
い。「結婚」はナガオカさんの私的な作品だったが、多くの人に感銘を与えて
きた。
さて、この本は「デザイナーをやりながら、リサイクル屋として引き取りに行
く、新商品を開発しながら、復刻商品のめんどうもみる」そんなデザイナーの
笑いと怒りと感動の日記をまとめた本だ。
小見出しが、手書きになっていて、なんとも味がある。
心の琴線をやさしくなでるような、そんな感性が、ナガオカさんの魅力。
僕は、この本でまたまた深いファンになった。
会社には、信号機の下で旗を持つみどりのおばさんのような人が必要です。
ひとつのことをずっとやり通すと、絶対、負けない何かを獲得できる。
始めるには「ワクワク」が、続けるには「責任」という楽しさがあります。
黒ヒゲ危機一髪は、実は刺して飛び出したほうが勝ちって知っていますか?
職業としてのデザイナー、デザイン家としてのデザイナー。
などなど、心の機微にふれる何かや、はっとするヒラメキのもとがいっぱい。
一番、心にフックしたのは、この一文。
形のあるものを販売するなら、それを売るための形のない「何か」を
開発しなくてはなりません。
形のないなにか・・・そう、物語であったり、感動であったり、感性に訴える
ような何か、かな・・・。
いま、それを真剣に考えている人はどのくらいいるだろうか。この形のないも
のを測ろうとしている企業はどのくらいあるだろうか。それをやろうとしてい
る社員を見つめている経営者はどれだけいるだろうか・・・。
形のない何か・・・これを生み出すのは、結構愉しい。
私たちがはからずも生み出している形のないもの・・・ってナンダロウ。
もうひとつオマケ:
アスクルの商品は、「商品」ではなく「明日、届く」というのが商品である。
あ、なーるほどぉ。
★★★★★+目にみえないもの
・デザインがすきな方
・会社をデザインしたい方
・自分の仕事ヲデザインしたい方