それは、宇宙が味方することだろうか?
企業は何のために存在するのか、仕事は何を求めてするのか、自分は何のためにこの世に生まれてきたのか・・・こんな問いに、本書はひとつの答えを用意している。
著者の伊藤さんは、住友銀行に入社し、マツダの再建、破綻寸前の関西銀行の再建といくつかのすばらしい実績を残してこられた方。凄腕再建マンかと思いきや、ちょっと雰囲気が違う。どうやらもっと深いところから企業やビジネスを捉えて、宇宙を味方に再建を果たしてこられたらしい。
本書には、宇宙を味方にする経営、生き方が、キリスト教をバックボーンにして展開されている。
科学と宗教、ビジネスと宗教、など一見相容れないものが、ほどよくアウフヘーベン(止揚)されて語られている。聖書やキリスト教のことも語られるが、宗教くさくないところがいい。先日の対本宗訓さんも仏教くさくないところがよかった。
著者は、これまで3つの使命に活かされてきたと述懐する。一つは住友での勤務、二つ目はマツダ再建、3つめは関西銀行再建。そして、これから4つめは多分、この地上に新しい精神革命をおこす手助けかもしれないとの覚悟を披露されている。それは、東西の宗教を止揚する人類共通の新しい精神性の追及なのだろうか。
そんな使命を帯びた人がこのごろよくお目にかかる。地球もまた進化しそうだ。
会社の中長期計画を作る活動の中で、悩みながら進めている活動が、間違っていなかったようだと感じることができ、元気をもらえた。
企業は、社会的に価値ある活動をして、その結果収益を上げるものだと 私は考えています。ところが、結果である金儲けを、いつのまにか企業目的 としている会社がいかに多いことか。
と伊藤さんは述懐する。関西銀行再建のとき掲げた3つの方針(社会価値の追及、業務革新の断行、人間尊重の経営)は、そんな思いに端を発している。以前の関西銀行は
企業にカネを貸して金利でかせぐ。
ことが目的だったが、
お金の融資は、企業を育てる手段である。社会の繁栄に役立つ銀行になる。
ことを新たな目的にして、銀行再建にあたったという。
著者は、ツイているという。幾度も神風のような奇跡に救われたというが、いずれも、「目的がまわりを幸せにするものであれば、それは天の力が実現のあと押しをして」くれた結果だったという。
何か始めるときや変える時は、「これって宇宙が味方してくれることだろうか」と問い掛けてみよう。
★★★★★+想念の場
・誇りある仕事をしたい方
・宇宙が味方する会社にしたい方
・よのなかに貢献することをしたい方