コツコツ継続。そこにはいつもJOYとPRIDEがいる。
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●今日の一冊:【ねばちっこい経営 】
粘り強い「人と組織」をつくる技術
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|遠藤功/著
|東洋経済新報社|2006年12月
|ISBN:4492532242|1,600円|211P
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<本のひらめき>
ねばちっこい、というのは茨城の方言。粘り強い、ねばっこいといった意味だ
という。ねばちっこい経営をしているタカノフーズ(おかめ納豆の生産)社長
の経営思想からタイトルがつけられている。
トヨタにしても、キャノンにしても、あるいはリッツ・カールトンホテルにし
ても、優良企業に共通していえるのは、当たり前のことを継続して、粘着して
やり通す経営の意志とそして現場のコツコツとした努力である。
本書は、企業や個人の成功に必要な要素のうちで、この粘着度に注目し、さま
ざまな分析と考察を紹介している。
企業が取り入れる新たな取り組みや制度は、当初はなんだか華々しく扱われる
が1,2年するとなんとなく飽きられて、また次の流行りものに移る・・なん
てことはよくある。ここに「粘着度」の差が現れる。
しかし、単に「粘れ」「続けろ!」と号令をかけただけでは、粘度が上がるわ
けではない。「何のために粘るのか」「何を求めて継続するのか」を社員1人
ひとりが理解し腑に落ちていないとだめだという。
こうした努力がどのようになされているのか、トヨタやデンソー、キャノン、
シャープ、コンチネンタル航空などさまざなが企業の事例をひもときながら独
自の視点と表現で展開している。
戦略も重要な要素だが、実際に現場で実行するときには、こつこつしつこくや
りとげる粘度を維持する経営の決意が重要だと、感じた。
長い時間軸もいる。面白さもいる。経営の決意もいる。リスペクト(尊敬)も
いる。誇りもいる。・・・・さまざまな要素を使いながら、粘度を保つ工夫を
本書から得てみたい。
<僕の思いつき>
トヨタ・ウェイには世界が注目するすばらしい現場の粘着力維持装置がある。
その中で、本著が注目するすばらしいトヨタの見識が印象的だった。
トヨタの持つ本質的な価値とは、いつも、相反することでも
同時に高次元で調和させ、克服することである。
つまり、二律背反のものごとを、どっちに重きを置くかというバランス論では
なく、高次元で止揚する立場をとっているのだ。たとえば、コストも下げなが
ら品質もよくする・・・こういうことだ。
矛盾。そんな状況があったら、やった!と思おう。なぜなら、そこには、高次
元で止揚できることはないか・・と考えられる最もすばらしいチャンスがある
から・・・。
このごろ、矛盾という言葉が好きになった。これもMoso系の特徴であろう
か・・・。笑
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<オススメ度>
★★★★★+納豆菌
<読んで欲しい方>
・当たり前のことを継続したい方
・やりとげるまでネバリたい方
・ねばちっこい仕事をしたい方