企業戦略と会計がつながる面白さ・・
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●今日の一冊:【なぜ、あの会社は儲かるのか?】
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|山田英夫/著 山根節/著
|日本経済新聞社|2006年08月
|ISBN:4532312965|1,400円|237P
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<本のひらめき>
なんでも「繋がる」瞬間っていうのは、愉しい。人と人、出来事とデキゴト、
結果と原因・・・。
今日の本は、企業戦略とその結果としての会計を結びつけた本である。つまり
「戦略の視点」と「会計の視点」がつながる面白さが、本書にはある。
日本企業のいくつかの事例を紐解きながら、世の中のことが分る。思わず、な
るほどとヒザをたたきたくなる。
早慶両大学の二人の先生が著者で、山田さんは戦略担当、山根さんは会計管理
担当である。二人の共通意識は「戦略の成果は、最終的には数字になって表れ
る」というもの。ここに、経営と会計が融合する本がうまれるきっかけがあっ
た。
ポーターの競争戦略論にある3つの基本戦略(コスト・リーダーシップ、差別
化、集中)などを紐解き、企業の実例を引き合いにして展開する解説が面白い。
差別化、高級化は利益率が高い・・というのが常識だが、たとえばユニクロの
ほうが伊勢丹より、東急インが帝国ホテルよりも、利益率が高いことが数字で
示されたりする。へぇー。
差別化と同時に、コスト効率も上げる努力が必要ということだ。
このほか、「損して解くとれ」のビジネスモデル(キャノン、ドコモなど)、
「ポイント制」「赤字企業が黒字企業を買収できるM&A」「グループ経営」
など、なじみのある企業の経営戦略とその結果(数字)を、非常に分り易く解
説してくれる。
あしたから日経新聞を読む視点が増えるかも。
<僕の思いつき>
日本に輸入された経営手法のリストがあった。
1992 CS
1993 リエンジニアリング
1994 コアコンピタンス
1995 CALS
1996 コーポレイト・ガバナンス
1997 グローバル・スタンダード
1998 サプライチェーン・マネジメント
1999 EVA
2000 ビジネスモデル
2001 コンピタンシー
2002 バランス・スコアカード
2003 社会的責任投資
2004 MOT(技術経営)
2005 CSR(企業の社会的責任)
へぇー、こんなに・・・と、面白いリストだ。日本がオリジナルで逆輸入され
たものもある。
トヨタ生産方式とか、シックスシグマとか・・・ほかにもいろいろあって、自
分なりにリストを作ってみるのもいいねぇ・。
ちょっと長いレンジで世の中を眺めるもの愉しい。
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<オススメ度>
★★★★★+会計と戦略
<読んで欲しい方>
・会計の視点で会社を眺めたい方
・経営や戦略の視点でよのなかを眺めたい方
・儲かるしくみを覗きたい方