ファンになってもらう努力をしよう!
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●今日の一冊:【人を育てるための上司の教科書】
従いつつ部下を導く
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|江口克彦/著
|PHP研究所|2007年01月
|ISBN:4569667708|438円|217P
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<本のひらめき>
「松下電器は何をつくっている会社か」との問いに「わが社は、人を創ってお
りますと答えなさい。しかるのにちに、また電気製品も作っておりますと言い
なさい」と指導したという故松下幸之助翁のエピソードは、とても感じるもの
がある。本書でもこの逸話が紹介されている。
松下幸之助翁が、残した遺産は、たくさんがるが、こうした人づくりが一番大
きいのではないだろうか。人材育成などといった言葉で簡単に語れるものでは
ない。もっと深い思想ともっと広く熱い取り組みが必要な気がする。
さて、本書は松下幸之助翁の薫陶を直接うけてきた著者、江口克彦さんが、「
優れた人をいかに育て導いていくか」という企業の重要課題について、そのヒ
ントを語った本である。
41のヒントは、とても実践的であり、また人の心を捉えて離さない素敵なも
のがある。
*魔法の言葉で部下を成長させよう。
君が説明したほうが、ワシがするよりよく分るやろう・・、この言葉が
著者の仕事を、単なる事務的なものから一瞬にして熱いものにした。
*顧客を増やすより、ファンを増やしていく。
新幹線で乗り合わせたA社長、乗り合わせた松下さんにみかんをさし
あげる。その後におきた素敵なことで、A社長は、いっぺんにファン
になる。帰社後、自社の工場にあるあらゆる電球を松下製に変えてし
まった。
*どんな小さな仕事でも、自分らしさをプラスしよう。
ある女性アナウンサーが、希望通りの仕事をもらえないことに落ち込
んでいた。しかしちょっと思いたって、ある工夫をした。担当の天気
予報の内容の前に、ほんの一言、10秒ほど自分の言葉でしゃべるこ
とにした。それが人気をよんで大ブレークした話。
などなど、心をうつ逸話がいっぱい。
上司の教科書であり、上司のクスリでもある。
<僕の思いつき>
お客様であれ、部下であれ、あるいは関係先や取引先であれ、仕事上でのお付
あいだけで留まっているのは寂しい。退職とか、転勤とかの瞬間に、忘れ去ら
れる。仕事上のお付き合い・・・ってわけである。
ところが、なにかの拍子に(つまり仕事を共にするうちに)、ファンになって
もらえるようなことをすると、その関係は、長くつづく。
もしかしたら、会社を興したときに仲間になってもらえるほどの関係もできる
だろう。
付き合い程度ではなく、ファンになってもらうような、そんな仕事をしてみた
いねー。
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<オススメ度>
★★★★☆+人を創る
<読んで欲しい方>
・仕事を熱くやりしたい方
・部下とともに成長したい方
・感動を伴う仕事をしたい方