交渉は、「 」ではなく、「 」である。
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●今日の一冊:【負けない交渉術】
アメリカで百戦錬磨の日本人弁護士が教える
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|大橋弘昌/著
|ダイヤモンド社|2007年01月
|ISBN:4478733465|1,429円|222P
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<本のひらめき>
冒頭の「 」の中は、何がはいるかかわかるだろうか・・・。
正解はひとつじゃないからいろいろアイデアが浮かんだかもしれない。著者の
答えはこれ:
交渉において大事なのは、「テクニック」ではなく、「考え方」なのである。
なるほど!
アメリカで百戦錬磨の弁護士・・と聞くと、さぞかしアグレッシブで、黒も白
だと認めさせてしまうようなエグいイメージを浮かべる。著者が、日米で百戦
練磨であることは間違いのないことだが、本書は、もっと私たちの日常にも使
える交渉術を指南している。
例えば車を買うとき、例えば家賃の交渉をするとき・・・などなど。
で交渉とは、ウィンウィンがよいという。こちらだけ一方的に勝って、相手は
意気消沈では後味がわるい。こちらも満足、相手もまんざらでもない・・とい
うのが一番のようだ。
いくつかの具体的な作戦があるのだが、たとえば
交渉相手にできるだけ時間を費やしてもらう。そうすると、ここまで時間を
投入したんだから、なんとか商談をまとめたいという心理になり、うまくい
く。
具体的には、できるだけ相手に来てもらうのもいいという。
相手を説得するのではなく、「自分の要求を提示し、そこから譲歩すること」
で、相手との合意をめざす。しがたって、最初の要求は、あつかましいくら
い高めに設定し、「何を譲歩するか」もあらかじめ決めておく。
最歩のオファーは、必ず相手にさせよ。特に相手の意向が読めないときは、
有効である。
ノーというな、イエス、イフと言え。
などなど、さすが百戦錬磨というだけあって、それぞれストンと納得がいく。
交渉担当である方も、そうでない方も、非常に面白く、かつ実践で使えるヒン
トがたくさんある。
<僕の思いつき>
「交渉術を使うことは、けっして手相手を欺くことではないし、モラルが低い
ことでも、情に薄いことでもない」というのが著者からのメッセージ。
確かに本書を読むと、戦って相手を打ちのめすための交渉術ではなく、こちら
も譲歩するが、相手からよい条件を引き出す、そしてどちらもなんだか得した
気分になるための交渉術なのだ。
交渉術の本をいくつか読んだが、本書が一番気持ちにフィットする内容がある。
考えてみれば日々、いろんな交渉の連続である。
仕事で、買い物で、家で配偶者と、子供とおこづかいの値段を・・・などなど
さまざまな場面がある。そこで、本書にあるような「交渉の考え方」を試すと
面白いかもしれない。
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<オススメ度>
★★★★★+WINWIN
<読んで欲しい方>
・気持ちよい交渉をしたい方
・交渉でいいものを引き出したい方
・弁護士になりたい方