手ガネは、血液だ。
勝ち残る会社とは、「潰れない型をキッチリと作った上で、攻勢に出る」ような会社だという。そのためにはどうするか・・・というのが本書のテーマ。
で、どうするか・・・
タイトルにもあるように「手ガネ」(自由に使える金)を増やすということだ。
起業し、自分のビジネスを継続的に続けるためのノウハウが、堅実なスタイルで紹介されている。「稼ぐ力の強化」「支出削減の発想法」「借りる力のフル活用」などから構成
されている。お風呂がある。蛇口から出るお湯(お金)を増やし、排水栓から出る量(支出)を減らし、風呂にたまる量(残高)を増やす。そんなポンチ絵がある。まさに企業経営のイロハを象徴している。これらの3つの力を実践的に説いているところがうれしい。
稼ぐ力のところでは、弱者の戦い方として、専門家戦略を紹介している。
誰に:相思相愛の関係が作り出せる相手だけに
何を:自分の強みに特化した商品を売るために
どうやって:一つの部門でNo1というキャラクターを確立する
というもの。キャラが立つってことだね。その時に、分野をまたぐキャラがあるとより強いという。例えば、弁護士資格をもつ医師、金融工学に精通した会計士、コーチングもできる便利屋、写真にも詳しい編集者、ITにつよい著述家、会計に強いマーケター・・・などなど。
また、著者が実際に流したFAXのDM(凡人がやった結果はこんなもの)とか、銀行に融資を要請するときの資料のカバーレターの記載事項など、実践的な事例も紹介されている。
ハデさはないけれど、着実に押さえておきたいツボがいっぱい
勝ち残り度レーダーチャートが冒頭に登場する。6つの視点で、潰れないための要素を分析するものだ。
粗利益率、必要運転資金、リピート率、労働分配率、設備投資、参入障壁
の6つだ。なかなか面白い分析がある。
同様に、自分の周りの事象を分析してみるのもたのしいね。いくつかの要素を洗い出してみる。例えば、
よりより組織運営に必要な要素は・・
平和な家庭を築くコツは・・・
仕事をサクサクこなす要素は・・
タイムマネジメントに必要な要素は・・
などなど。マトリクスも面白いが、こういうのもイケるかもね。
(ねむそうな会議があったら、やってみて・・・・。あ、冗談ね)
★★★★☆+手ガネ
・つぶれない会社にしたい方
・堅実経営をしたい方
・元気な会社にしたい方