スピークアウト!って素晴らしい。
茨城県高萩市。ここに一人の素敵な市長さんがいる。
本書の著者である草間吉夫さん。
http://www.city.takahagi.ibaraki.jp/shichou.html
草間さんは、実は、生後3日で乳児院に預けられ、そして高校卒業までを児童擁護施設で育った人である。児童擁護施設ってなーに?という方も多いはず。ふだん一般の人には、関心事の外にそれはあるからだ。無関心もひどいが、それ以上に、偏見や差別といった言い知れない環境が世間との間にはある。
本書は、そんな環境で育ちながら、人の縁に助けられ、自助の力も発揮しながら、ついに地方都市の市長さんになった半生記である。
僕は、なんども泣けた。
臨海学園という児童擁護施設で育ちながら、鈴木藤太さん(元高萩市市長)の知遇を得、また学園長の遠藤光静さんの物心ともにわたる応援など、人の縁に支えられ、草間さんは、成長する。同情、差別、偏見・・さまざまなものに翻弄されながらも、様々な出会いがあざなえる縄のように、草間少年を成長させていく。
そんな中から生まれた福祉への確固たる信念が、現市長の原動力になっている。
松下政経塾との縁など、いくつかのエピソードは、感動的である。「なんで俺だけが」という呪縛から解き放たれていく様子に、私たちも何かを感じざるをえない。
ヤンキー先生の義家弘介さん、元やぐさの妻だった弁護士大平光代さん、夜回り先生の水谷修さん・・・など、壮絶な過去を持ちながら、爽やかな風をよのなかに送り込んでいる人たちがいる。
苦労のドンゾコ・・みたいな人がいたら
いじめられて・・・・人生最低という人がいたら
まてまて・・こんな人たちもいるぞ・・と伝えたい。
★★★★★+ひとりじゃないんだ
・福祉を真剣に考えたい方
・自立したい方
・元気になりたい方