仕事外の発想を仕事に取り込む・・・
ポストイットで有名な3Mには「15%ルール」や「ブートレギング(密造酒作り」が、毎日お世話になってるGoogleには「20%ルール」がある。
これらは何かといえば、仕事の中で、15%とか20%は業務に関係ないことをやる!ということだ。「してもよい」ではなく「する」という言葉のニュアンスの違いに注目したい、と著者は注意書きを添えている。(おぉー!)
こうした組織マネジメントの背後には、全てをきっちり管理し、計画通りに進めれば全てよし・・といった20世紀的組織論の限界がある。
ルールどおり、マニュアルどおりに仕事をすれば、なんとかなる時代は終わり、イノベーションを続けていかねばならない時代に、がちがちの管理主義はあわないのだ。
そこで、創造性豊な企業は、15%ルールのようなゆるやかな雰囲気をかもし出す工夫をしている。こうしたルールのあるなしにかかわらず、クリエイティブでプロデューサー的な人材は、ルールや決まりに関係なく、自分のやりたいようにものごとを進めてしまう。
こうした仕事の仕方を、本書では「シャドーワーク」と呼び、個人が仕事をわくわくしながら進め、組織がクリエイティブになるような新しい仕事の仕方として推奨している。
3M、グーグルのほか、マーチの開発プロセスでみられたシャドーワークや、コーセー、シマノ、アサヒビールなどの事例が紹介されている。
シャドーワークとは、「公式の組織で規定された権限、役割、業務プロセス、などには乗ってこない、個人が自分の自主的な意思と裁量で創造的に編み出す仕事やそのための勉強、準備活動など全般のことである」と定義している。
そういえば、あの人の・・・と思い当たることもあるのではないだろうか。
予定調和(管理社会)ではみられない、自由闊達でワクワクモードの仕事、それがシャドーワークである。
なるほど、Moso系の仕事は、これだな! (と、かってに納得!)たくさんの気づきをもらえる本である。
シャドーワーク、スカンクワーク、密造酒プロジェクト・・・いろんな呼び方があるけれど、どれも、見えないなにかがそこにはあって、創造性を生み出す環境を作り出していることはまちがいない。
がっちり管理された組織では生まれない。さりとて放任でもない。その微妙な雰囲気こそが、これから求められるものでは、ないだろうか。
今、作ろうとしているMoso事業部・・・は、まさに、そんな雰囲気を作りだすためのインキュベーション部門ではないだろうか・・。また、ジェイカレッジも、まさにシャドーワークの典型ではなかったかと思う。
本書を読んで、いいときに僕のために書いてくださってありがとう・・・と、勝手に納得、勝手に感謝。
いよいよ、はじまるか・・・。Moso系シャドーワーク。
★★★★★+あさってからのアプローチ
・職場を愉しくしたい方
・クリエイティブな風土にしたい方
・仕事の報酬は仕事、にしたい方